あれこれいろいろ

オニグルミとウォルナットは同じなのかちがうのか(・・? 

写真はオニグルミの板です。ウクレレの背板にするためにカンナで削ったところです。単にクルミと表記されているものは、普通はオニグルミのことを指しています。

オニグルミは英語に翻訳するとウォルナットになるんですが、材木の世界では、オニグルミとウォルナットは、少しちがうものとして言葉を使い分けることが多いです。どちらもくるみの仲間であることは変わりないのですが、ウォルナットと書いてあるときは北米産の「ブラックウォルナット」を示し、「クルミ」とだけ書いてあるときは「オニグルミ」を指すという言葉の棲み分けがされています。

北米産のブラックウォルナットは少し黒みがかった色合いが特徴で、高級感や現代風の味わいがあります。くるみは淡い感じの茶色が特徴で、やさしくやわらかい雰囲気です。こういう材質の違いがあって、家具の風合いなども変わってくるので、言葉を使い分けているのでしょう。

ですが、和英の翻訳としては、クルミはウォルナットになり、ウォルナットはクルミになるので、ブラックウォルナットをクルミと書いて販売したり、オニグルミをウォルナットと書いて販売していることはも少なくないようです。だから、付けられている名前だけからは判別しにくい現状もあって混乱します。

実際の色を見ると、ブラックウォルナットは黒っぽいので何となく判別はできますが、木のどの部位を取るかで色合いは結構変化するので、見ただけで必ず判別できるわけでもありません。

というわけで、ラベルに樹種を書くときは、私は仕入れたときの名前をそのまま書くようにしています。背板はくるみ、埋木はウォルナット、などと書いてありますが、実はどちらも、同じオニグルミであったりする可能性も実はあるわけです。

同じようなことは、「メープル」と「かえで」にもありまして、材木業界で使われる木の名前は、なんだかわかったようなわかんないようなところがありますね。

ウクレレのラベルに、材料の木の名前をみんなが書かないのは不思議だと前に書いたことがありますが、材木業界の名前のわかりにくさから、確かなことを書きにくいということも影響しているのかもしれません。