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言語学の音韻論の最適性理論(optimality theory) と 音楽体系の可能性  

言語学の中に音韻論という分野があり、例えば、「にせたぬきじる」と「にせだぬきじる」は、「た」の濁点の有無でどう意味が違って、それは何の法則でそうなるのかなど、言葉の繋がりの法則などを扱います。

世界中の6000の言語についてそんな法則を見つけていくと膨大な数になりますが、1993年、革命的な理論として「最適性理論」が提唱され、それによると各言語は人類共通のいくつか(40個くらい)の禁止事項の優先順位の組み合わせの違いとして説明できそうということになりました。

最適性理論では、言語ごとに複雑膨大に分化していた法則を、全言語を通じてシンプルに整理できるうえ、例外現象を許容する考えにもつながるのだとか。従来は例外現象は法則に違反するものと考えられていたのが、最適性理論では例外現象は別の法則が顔を出した場面ととらえるようになり、その場面が最適性として説明されるということのようです。(素人理解で書いてますので、詳しくは下の動画をごらんください)

さてここで音楽の話ですが、言語も音楽も音の連なりでリズムや音の強弱があるという点で似ているので、音楽についても最適性理論のようなものは考えられないでしょうか。

音楽の世界にも人類共通の禁止事項があって、その優先順位の組み合わせで様々な民族音楽や様々なジャンルの音楽が生まれていると仮定したら、仮に10個の音楽上の禁止事項があると、そこから生まれる組み合わせは10の階乗で362万8800のパターンが生まれることになります。もし12個の禁止事項があれば、その組み合わせは12の階乗で4億7900万1600もの異なるタイプの音楽体系が生まれ得ることになります。

現在聞くことができる地球上の音楽は、その中の一握りにしか過ぎないということになります。歴史上の音楽の天才は、膨大な音楽体系の中からひとつを発見し得た人ということになるかもしれません。しかし人類には未知の音楽体系がまだまだ手付かずに残っていて、それは禁止事項の組み合わせの可能性としてコンピューター上で解析できるのかもしれません。

そんなことを考えていると音楽が新しい時代を迎えそうな気がしてきます。

 

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