あれこれいろいろ

オルフェウスの竪琴とビウエラのなぞ 2

昨日の「ではどうしてオルフェウスにビウエラを持たせてビウエラの発明者とまで明言するのか?」の続きですが、理由のひとつはルネサンスという時代にあるだろうと思います。

上の絵は、「オルフェウスとエウリュディケ(Orpheus and Eurydice)」という題のマルカントニオ・ライモンディ(Marcantonio Raimondi、1475年頃~ 1534年頃)による16世紀の銅版画ですが、この銅版画では、オルフェウスは弓奏楽器としてのビオラを弾いています。

マルカントニオ・ライモンディは、16世紀イタリアの版画家で、ラファエロやメディチ家とも親交があったまさにイタリアルネサンスの中心にいた芸術家のひとりですが、どうやら、古代ギリシャや古代ローマに理想を探したルネサンス時代には、その時代の楽器を古代ギリシャの神に持たせることにあまり違和感がなかったようです。

ルネサンスという大きな時代背景の中で、スペインにビウエラという新し楽器が登場したとき、その起源をギリシャ神話に求めようと考えたのは、ごく自然な発想だったのかもしれません。

というわけで、ルネサンスという時代そのものが理由のひとつめなのかなと思います。理由の二つ目は、また次回。