あれこれいろいろ

音楽の起源諸説

音楽の起源については、次のように様々な説があります。

・言語起源説 言語の抑揚やアクセントから始まった

・労働起源説 労働や共同行動の掛け声等から始まった

・異性吸引説 鳥のさえずりのような求愛行動的な発声から始まった

・性衝動起源説 率直な性衝動、愛の歌等から始まった

・衝動説、感情起源説 喜びや嘆きや怒りなど、様々な感情の発露として始まった

・呪術起源説 雨乞い、豊作、治癒の祈祷等、神霊天地自然力と繋がる行為として始まった

・自然模倣説 波、風、生物の声、森の音など、自然音の真似から始まった

・信号起源説 遠方への合図などから始まった

・リズム衝動起源説 狩猟や戦闘の前に集団の士気を高める声などとして始まった

これらのほかにも様々な考え方があることでしょう。これらの説の中から単一の答えを見つけようとする議論のほか、単一の理由に捉われず、複合的に見る考え方も有力なようです。どの説も、そういう場面は歴史の中で確かにあっただろうなと推測できるので、どれもありということでよいのかもしれません。

これらに対して、次元の異なる方向からの考えとしては、音楽は神から来たとか、宇宙の秩序に由来するなど、人の営みを超越するものに音楽の起源を求める考え方もあります。古代ギリシャでは音楽は宇宙の数的秩序を現わすものとして捉えられ、中世ヨーロッパの学問の自由七科(リベラルアーツ)では音楽は数学的思考を通じて神の摂理に迫るものとして捉えられ、このような超越的真理との関係で音楽を捉える見方は、非常に古くからある伝統的な見方と言えます。この考え方によると、音楽は必然的に「正しさ」を含む概念になるので、正義、真理、調和、愛などの正しさと音楽がイコールで結ばれ、音楽は人や社会を正しく教導するもの、正しくない音楽は是正されたり排除されるべきもの、という方向の歴史に繋がるようです。

それに対して、最初に述べた様々な説は、音楽に正しさの概念を読み込まず、音楽を機能的に捉え、音楽の機能を歴史的に観察しようとする試みと言えます。

 

 

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