ウスレレ

ウクレレ (18世紀古楽器スタイル・テナー弦長)  お客様の声

上の写真のウクレレは、フロリダ沖の1733年のスペイン船から発見されたギターデザインを元に、ウクレレ用の指板を付けてウクレレ化したものですが、お買い上げいただいたお客様から、丁寧な感想をいただきましたので、一部抜粋してご紹介させていただきます。

開封して、楽器を手に取って、想像を上回る楽器の魅力に触れて、大変感銘を受けております。

作り込みもとても丁寧で、サウンドホールのモザイクも大変美しく、見てよし、弾いてよしの、素晴らしい楽器ですね。

サイズ感はまさにウクレレのコンサートサイズという感じですが、ブリッジの位置が下にあるためにスケールはテナーサイズというところが、なんとも渋いです。デザインといい構造といい、これまで手にしたことのない、いえ、実は私もこうした楽器が見てみたかった、と思っていたような、夢のような楽器です。

 

古典楽器のようなウクレレは、これまでにもなかったわけではありませんが、ルネサンスギターとの構造的類似を明確に提示された上でデザイン的にも見事に「再現」されたウクレレは、私は目にしたことがありませんでした。

個人的には、クラシック音楽や世界各地の伝統音楽をウクレレやギターその他の弦楽器で爪弾くのが好みなのですが、ウクレレソロを行うとなると、やはりテナーの弦長は音程的にも余韻的にも強みになります。ハイフレットに特段のこだわりがなければ、12フレットあたりまでをしっとりと弾くには、今回お譲りいただいたウクレレは私にとって理想のデザインです。

他の古典楽器と同じように、メーカーのロゴや華美な象嵌などがないのも、とても優美で高貴な風合いを醸し出していると思います。「形が最も完全な時は、装飾をほとんど必要としない」とはアントニ・ガウディの言ですが、伊藤様のウクレレやルネサンスギターはまさにこの本質を体現されているように感じます。

これはまったくの余談となりますが、木ペグはバイオリンの要領でヒルのコンポジションなどを利用すれば、スムーズに調弦することができます。バロックウクレレでも木ペグを採用されるとマニア心をくすぐると思いますよ。

材料に日本の木を利用されていることも、大変興味深いと思った点です。楽器の出自からして、ヨーロッパのスプルースやメイプルを使用するのは王道なのでしょうけれども、すでに「バロックウクレレ」あるいは「ルネサンスウクレレ」というコンセプト自体が一十舎様の個性となっているのですから、「グローカリゼーション」(文化が伝播して再度土着化すること)の本義に鑑みても、その土地その土地で採れる木の中から最良の選択を行うことは、大変理に適った、SDGsの時代にふさわしいアプローチと言えるのではないでしょうか。

このように古楽器風ウクレレのコンセプトを深く理解して賛同していただき、これだけ喜んでいただければ製作者冥利に尽きるというものです。グローカリゼーションというキーワードも心に響くものがあり、しばらく胸中にあたためていい具合に言葉が膨らんできたら、ブログで話題にさせていただくかもしれません。

またこのタイプのウクレレを製作してみたいと思います。ありがとうございました。

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