あれこれいろいろ

現代版掛唄 ラップバトルを見てみた

先回、秋田の掛唄やチリのla payaなど、即興の歌の掛け合いの文化を書きましたが、それに関連して、現代の掛け合いであるラップバトル(MCバトル)とはいかなるものかと思い、いくつか聞いてみることにしました。

秋田やチリの大らかでのどかな世界とは全く違っていました。それは要するに音楽的な口喧嘩、ディスり合い、俺自慢と相手への侮辱の応酬でした。一例として次の動画を載せますが、喧嘩なんか見たくない方は見ないことをお勧めします。

たしかに悪口文化というものは世界にたくさん存在します。江戸っ子のおとといきやがれ、豆腐の角に頭ぶつけて死んじまえ的な言い回しの多彩さ。ロシア語や韓国語も悪口はきわめて豊富だと聞いたことがあります。

ラップバトル(MCバトル)とは何かについ、「音楽であり、口喧嘩であり、大喜利であり、ディスカッションであり、ドラマでもある」という表現がウイキペディアの中にありますが、確かにそんな説明もあてはまりそうです。

二人が攻防を繰り返して勝敗を決めていくわけですが、勝ち負けの明確なルールはなく、どうやら次のような要素の総合で「ヤバい」方が勝つということのようです。

・即興性

・内容

・ディス…スカッとする見事な否定や侮辱

・ライム…韻、即興的に韻を踏んだり、長い文字数で韻を踏んだり、文脈と韻が合っていたりする技術

・フロウ…ビートに言葉を載せるノリのよさ、音楽的センス

・アンサー…相手に見事に言い返す強さ

・バイブス…熱量や情熱などどれだけ客の心に響くものがあるか

私はディスり合う音楽には全く共感しないのですが、それでも人が生み出す音楽文化全体に興味があるので、興味津々です。特にこれらの基準にふくまれる音楽的エッセンスに何か感じるところがあります。

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