工房からの帰り間際、「これだけ仕上げて帰りたい」と思うことがよくあります。
しかし、この帰り間際というのは、失敗発生率急上昇の危険な時間帯なのです。
「あーっ、やっちゃった!」
ということがこの時間帯に今まで何回あったことでしょう。切りすぎ、削りすぎ、測りまちがいなど、その日の作業を振り出しに戻してしまうようなことが起きがちなのです。
その要因はいくつかあります。
・その時間帯は疲れがピークを迎え集中力が落ちている。
・残り少ない時間帯に急ぎ勝ちになる。
・キリよく作業を終えようとするあまり、強引になる。
・意識が帰る方に向いていて、作業内容そのものから逸れている。
こんなわけで、木工では、一日の最後の頑張りというのは鬼門なのです。世間一般では一日の最後の頑張りは良いことかもしれませんが、木工の世界では止めとくが吉です。
中途半端で切り上げましょう。
夜を挟んで仕上げるのが吉です。
愛の告白文は夜を挟んで落ち着いてから仕上げた方がいいのと同じです。夜に一気に書き上げた告白文は熱量がありすぎてやけどの危険があります。月と星の光で優しく冷ましてもらいましょう。夜が全体を整えてくれます。そして朝日の中で仕上げるのです。
朝は仕上げの時間帯です。(*^_^*)