あれこれいろいろ

イエズス会が輸入して日本人が最も喜んだもの

1581年のイエズス会の日本年報に、

「今まで日本に輸入したもののうち、日本人が最も喜んだものは、オルガン・クラブォ・ヴィオラなどで、それを演奏することである。われわれはオルガン二台を持っているが、ひとつは安土山に、他は豊後(臼杵)に備え付けてあり、クラヴォは各地に置かれている。青年らはその演奏を学び、ミサその他の祭式に演奏する」

という記載があり、楽器と音楽は、当時の日本人を強く引き付ける力があったようです。

その4年前、1977年のオルガンティノの書簡には、

「もし五機内ににオルガンと、その他の楽器が与えられ、また声楽家や多くの宣教師が与えられれば、わずか一年で都と堺が改宗するであろう。その二つの市の住民がキリシタンとなるならば、その他の国々も追随するであろう、そうなれば、日本からシナを改宗させる計画も立てることができるであろう」

という記載もあります。

どうやら、教会音楽に対する日本人の反応は極めて良好で、音楽に誘われて改宗に導かれる者がたくさんあり、そこを起点として反応の加速度的な波及という様子もあったらしい。

「音楽の巻き込み力」とでも言えばいいのでしょうか、音楽は人と歴史を動かす大きなパワーであるようです。

参考・洋楽伝来史 海老澤有道著

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