上の写真は古楽器スタイルウクレレを作るときの当舎ウクレレのヘッドです。
ここに穴を四つ開けてペグを付けるわけですが、つまみが横にはみ出す形のギアペグと、つまみが裏に突き出る形のストレートペグとでは、穴を開ける場所がちがいます。
ストレートペグ場合は、わりと外周に近い方、ペグ同士がある程度離れるような形で穴を開けます。そうじゃないと、ペグを回すときに隣接するペグに指が当たってとても邪魔で、スムーズに回せないからです。
ギアペグの場合は、ストレートぺぐの時よりも中央寄りに寄せる形で穴を開けます。そうじゃないと、ペグの受け金具の形が大きいので、金具がヘッドからはみ出してしまうからです。
ときどき、ギアペグをストレートペグに取り替えられないかという問い合わせをいただくことがあるのですが、それをすると、ペグ同士がヘッドの中央にギュっと集合したような形で裏に四本突き出すことになるので、ものすごく回しにくくなって、とてもじゃないけど使えないというレベルになってしまうんじゃいかと思います。見た目にもとてもかっこわるいと思います。
逆にストレートペグからギアペグに替えようとすると、今度は金具がヘッドのまわりにはみ出してしまう危険があると思います。
というわけで、違う種類のペグに取り替えるのは、あまりいい結果にならいなことが多いんじゃないかと思っています。
ところで、この一十舎古楽器スタイルのヘッドの形を見ていて、「なんか見たことあるなあ…」というデジャブ感を感じ、記憶の糸を手繰ってみますと、「手塚治虫のブラックジャックに出てきたような…」ということに気が付きました。
名前はヒョウタンツギつて言うんですね。なんかストレスがありそうな顔ですが、無理にペグを取り替えて無理なツギハギをすると、結果はこんなストレスを感じるかもしれません。