昨晩、昨日ご紹介した動画の中に出てきた図面を拡大して、フロリダ沖の沈没船から出てきたルネサンスギターの各部サイズを確認してみました。
そしてわかったことの第一は、このルネサンスギターは、ボディの長さ(ネックとボディの接合部からボディテールまでの長さ)が27.74cmで、現代のウクレレで言えばコンサートサイズウクレレと大体同じということでした。ルネサンスギターはウクレレに近い存在感だったのかもしれませんね。ソプラノサイズウクレレのような小さいルネサンスギターもあったのかもしれません。
わかったことの第二は、ボディ厚(トップからバックまでの幅)が4.5cmで、かなり薄いということです。現代のコンサートサイズのウクレレはボディの厚みは7cm以上はあるでしょうから、2.5cmも薄いですね。
そこでウスレレ度(ボディの長さに比べて厚みがどのくらいの比率なのか)を計算してみることにしました。ボディ厚をボディ長で割るのです。すると、このルネサンスギターのウスレレ度は、4.5cm÷27.74cm=0.162で、16.2パーセントでした。
一十舎で作っているウスレレも試しに計算してみますと、4.15÷25.3=0.164で、16.4パーセントのウスレレ度で、フロリダ沖沈没船のルネサンスギターとほとんど同じでした。
さらに手元にある普通の厚みのコンサートサイズウクレレで同様の計算をしてみると、7.4÷27.3=0.27で27パーセントとなり、もうひとつ手元にある市販のソプラノサイズウクレレで同様の計算をしてみると、こちらは7.3÷27.3=0.267で、どうやら現代の普通のウクレレは、27パーセント前後あたりの数値になるようでした。
一十舎が実験を重ねて、このくらいの厚みが一番いい音がする! という結論に到達して決めたウスレレは、400~500年前のルネサンスギターにほとんど同じものが存在したということがわかってうれしいです。(^^)
一十舎の作るウクレレが、あるときからみんなウスレレになり、全体のデザインもどんどん古楽器スタイルに寄っていき、という動きは、原初の響きに向かうという点で一貫性があったのかもしれません。
一十舎がルネサンスギターという情報に触れ始めて、当舎のウクレレがこれからどう展開していくのか、我がことながら興味津々です。