あれこれいろいろ

赤ちゃんはテレビで音を学ばない という研究など

まず、赤ちゃんはテレビで音を学ばない、という研究の話。

英語母語の赤ちゃんを、テレビから女性が台湾語で話しかけたグループと、同じ女性が同じ内容で直接台湾語で話しかけたグループに分けたところ、テレビから話しかけられたグループの赤ちゃんは音を学ばず、直接話しかけられたグループの赤ちゃんは音を学びました。

ここから、赤ちゃんは人と接しながらでしか言葉を覚えることはない、言いかえると、コミュニケーションの現場で発せられる音のみを赤ちゃんは重要な情報として捉える性質を持っている、と考えられるそうです。

それからもうひとつ別の研究。

こちらは、大人のオンライン会話時における脳の血流の変化をNIRS(近赤外分光法)で測定する実験で、「他人と共感できている」と感じる時に脳の中で活発に動く三つの部分のうちのひとつ、背内側前頭前野に近赤外光をあててみたところ、対面会話時は、背内側前頭前野からの反射光量が変動する周期が5人で重なり「脳の同期」が起こっていたのに対し、オンライン会話時はその周期が重ならず脳の同期が起こりませんでした。

オンラインコミュニケーションで脳の同期が起こらない原因としては、視線が合わないこと、コミュニケーションに遅延が生じ表情と言葉にずれがあることなどが考えられるそうです。

数日前に音楽によって脳が同期するという実験の話を書きましたが、オンラインの音楽でどの程度脳が同期するのかが気になります。

ただ最近はボディシェアリングという研究が進んで、体感を共有しながら遠隔でも対面に近い環境が再現できるようになりつつあるようで、オンラインコミュニケーションと音楽も根本的に変わりそうな気がしています。

参考

音とことばの不思議な世界 川原繁人著

BODY SHARING  玉城絵美著

 

 

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