あれこれいろいろ

アトリエ一十舎という名前のことなんですが…

ウクレレ一十舎と言ったり、アトリエ一十舎と言ったりしてきたのですが、最近はウクレレのほかにルネサンスギターを作りはじめたので、ウクレレ一十舎という名前では収まらなくなってきました。そこでアトリエ一十舎で統一していこうと思っていたら、古楽器奏者の岩田さんから、アトリエという名前はちょっとイメージが違うかもという話をいただきました。

アトリエという言葉は、工房という意味ではあるのでずか、多くの職人を抱えて工芸品を作っているところというイメージで、楽器製作ではあまり使われないのだそうです。パリにアトリエを名乗る楽器工房がひとつあるのだそうで、それがまさに工場のように楽器を作り、安いけれど安いなりの品質という感じなのだそうです。アトリエという言葉だとそんなイメージになり、日本語のアトリエのちょっとおしゃれな雰囲気はあくまで和製英語なので、今後海外販売の可能性も考えると、アトリエの呼び名は見直したほうがよいとのことでした。

英語ではスタジオという言葉も工房の意味で使われるそうなのですが、これは作業場という感じで、あまり楽器製作では使われないとのことでした。

弦楽器製作ではluthierという言葉が一般的だそうです。フランス語ではリュティエと発音します。調べてみると、英語、イタリア語、スペイン語などでも、発音はかわりますが同じ単語が弦楽器製作者として通用するようです。この言葉は日本にも多少は入ってきていて、ルシアーと発音して名乗る人もいます。

海外音楽生活の長い岩田さんから海外販売の可能性も時々言われることがあるので、ルシアーという方がいいのかもしれません。日本語だと単純に工房でしようか。ちょっと考え中です。

もうひとつ工房名のほかに、製作者名としてペンネームみたいなものも考えたりします。江戸時代後期の作家で十辺舎一九(じっぺんしゃいっく)と一十舎(いっとうしゃ)の響きが似てるので、これにあやかるのもありかもしれません。十返舎一九は東海道中膝栗毛を書いた人ですね。狂言、謡曲、浄瑠璃、歌舞伎、落語、川柳から香道、絵画まで幅広く遊び尽くした天才です。こういう遊び心の天才にあやかって一十舎〇〇というのもおもしろいなあと思ったりもする今日このごろです。

 

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