あれこれいろいろ

ASMRの音 神経作用いろいろ

ASMRの人気の理由には、比較的短時間の視聴でゾクゾクするような大きな感情を体験できること、そして肌触り、歯触り、温感などのある種の触覚が体験できることがあります。それらの仕組みは、以下のような仮説が現段階では考えられるそうです。

単純な音から比較的大きな感情を体験できるのは、視覚が時間をかけて情報を観察処理する感覚器官であるのに対し、聴覚は音と同時進行で短時間に情報処理する感覚器官で、音の変化から直截的に感情に働きかけることで緊急に行動する仕組みになっていることが理由のひとつに考えられるそうです。

また音から触覚が想起されるのは、聴覚も触覚も皮膚感覚が集中する形で形成される同種の器官であること、聴覚と触覚はどちらも側頭葉で処理され関連性が強いことから、感覚の混同が起こることが考えられるそうです。

これらの仕組みの上に、個人的な過去の記憶も加わることによって、ある音から個人的な感情が引き起こされ、人それぞれの触覚も感じられるという現象が生まれるのだとか。

それからもうひとつ別の話しですが、ASMRの反応として、「ゾクゾク」「ゾワゾワ」「ウズウズ」とか、英語なら「tingle」「sparkle」と表現される感覚があるとが言われていて、それら皮膚感覚は、ある実験によれば、耳元(60%)、首の周辺(44%)、肩(44%)、背中(30%)、腕(15%)、脚(0%)に生じていたそうです。それはつまり、感動的な音楽を聴いたときにに前腕部に鳥肌が立つ現象とは異なるタイプの反応と考えられるそうです。鳥肌(立毛筋の収縮)という現象は交感神経系に支配されており、交感神経は「闘争あるいは逃走(fight or flight)の反応」を生じさせて、身体の活動レベルを高め、高揚感を感じさせますが、ASMRの聴取時にはむしろ脈拍数の減少が認められて、副交感神経系の優位が観察されるのだそうです。

ASMRによる心地よさやあるレベルの幸福感から、さらには疼痛の改善、不眠解消、気分の改善、精神集中など、様々な可能性が研究されつつあるようです。

という色んな話を頭の片隅に、ASMRのコンテンツを再度聞いてみると、さてどんなふうに感じられるでしょうか。☟

https://youtu.be/S_svu__5r14

 

参考文献・「脳がゾクゾクする不思議」岩波科学ライブラリー318

 

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