あれこれいろいろ

近頃はやるASMRという音の楽しみ方

近頃話題のASMR(英: autonomous sensory meridian response)という音の楽しみ方をご存じでしょうか。読み方はエー・エス・エム・アール、アスマー、エイスマー、アズマー、エイズマーなど人それぞれで、日本語にすれば自律感覚絶頂反応というような意味です。

それは何かざっくり言うと、ささやき声、物や体にふれる音、生活音などをトリガーにして生まれる、心地よい脳がゾワゾワするような反応・感覚を楽しむ現象なのですが、ごく新しい分野なので定義も未確定です。研究もようやく始まったところですが、YouTubeには様々な人が作った様々なタイプのASMRの動画が溢れており、ASMRを利用した企業広告(ペプシ、ケンタッキー、イケア、トヨタなど)も生まれています。

とりあえずどんな動画か見てみましょう。

イケアの広告☟ 物に触れる音

物に触れる音☟

https://youtu.be/LZh4ioW31J8

仕立て屋さんの音☟

化粧の音とささやき☟

ほかにも様々なタイプのものがあるので、それらをひとくくりに語るのが適切なのかもわかりませんが、ある種の手触り感のある小さめの音に耳を傾けることに心地よさや体感がある、というものが多いようです。ささやき声に性的な感覚を伴うものもあるようですが、それは一般的なASMRの反応とは異なるかも、と考えておいた方が安全かと思います。

ASMRの歴史は、2007年にsteadyhealth.comというサイトのフォーラムに「奇妙な感覚が気持ちいい」というスレッドが立てられて共感が集まり、そこから関連するフェイスブックやブログが起こり始め、このころはまだこの感覚は「The Un-named Feeling(名前のない感覚)」などと呼ばれていました。2009年にWhisper1-helloと題されたYouTube動画がイギリスの女性によって立ち上げられてこの種の動画製作のさきがけとなり、2010年にジェニファー・アレンが、この現象にASMRと名付けたことで、拡散しやすい一般性を得たようです。

その後は、様々なYouTube動画が世界で作られ、企業も広告に採用し、高い水準で関心を集めています。日本では当初は音フェチを自称する人たちの関心を集めていたのが、現在はフェチという枠に関係のない楽しみ方になっているようです。

興味深いのは、このASMRが流行する背景にはコロナ禍によって自宅で過ごす時間が増えたことも影響しているらしいということです。それは自宅で過ごす時間を持て余したというばかりでなく、人や物との社会的接触が減る中で、親密な接触感があるASMRの音が人々の欲求にぴったりはまったのかもしれません。

バーチャル空間での交流が現実社会以上に現実的に感じられる時代に入りつつある中で、ASMRはバーチャル空間に接触感覚を持ち込み得るものだったりするのかな、などという想像も膨らみます。

音楽についてあれこれ書くのがこのブログのテーマですが、ASMRが音楽とどのような関係にあり、音楽にどのように融合していくのかなど、注目の新分野だと思います。

つづく

参考文献・「脳がゾクゾクする不思議 仲谷正史、山田真司、近藤洋史著」

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