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スラックキーギター Slack-key guitar オープンGチューニング

メキシコから来たカウボーイのヴァケーロがハワイ版カウボーイパニオロとなり、持ち込んだギターをハワイの人々に教えると、ハワイの人々は自己流にチューニングしてハワイ特有のスラックキーギターが生まれました。メキシコのヴァケーロとハワイの人々が一緒に働きながら牧童の仕事を伝授したので、ギターを教える時間も自然に生まれたのでしょう。

スラックとは緩いという意味で、通常のチューニングを少し緩めて、上から見てD-G-D-G-B-Dの順にチューニングするのが一般的なスラックキーギターのやり方です。ソシレだけで構成され、開放弦でそのままGコードの和音になるので、オープンGチューニングとも言われます。ソシレの組み合わせは奏者ごとに様々あって、それぞれの秘伝のチューニングが生まれたりもしたのですが、中でもこのDGDGBDのオープンGチューニングは、ハワイのタロイモ畑の名前を冠して、「タロパッチチューニング」と呼ばれるようになりました。ほかにもオープンD、オープンC、オープンFや、その変種や、とてもたくさんのスラックキーが生まれています。

このスラックキーギターは、家の中で楽しむプライベートな音楽として長らく島の中で楽しまれていたのですが、1960年以降、特にハワイアンルネッサンスと言われる1970年代に、急速に有名になり、ハワイを代表する音楽として世界に知られ、多くのすぐれた演奏者が登場しました。

スラックキーギターが生まれたことで、いかにもハワイらしいゆったりと落ち着いた波のようなハワイアンサウンドが地球に加わりました。↓