ウクレレの魅力

うっとり時間 増産したのはうっとりの方だった

新アトリエに移行したらどんどん増産するぞ、と思っていたわりには増産になってないなあ…接着の乾燥待時間とか長いから仕方ないか…

などと思いつつ、先日、作成中のウクレレをうっとり眺めながら思ったのです。

「あ、そうか、うっとり時間がメチャメチャ多くて長いんだ!」

ネックを削ってシェイプが見えてくると、撫でてうっとり

ひと削りしてまたうっとり

サイドの曲がり具合を確認しながらうっとり

弦を張って響きにうっとり

フレットのあちこちを鳴らしてみてまたうっとり

材木置き場で次に何を作ろうと思いながら並ぶ材木を眺めてしばしうっとり

木にあたる光と影にうっとり

壁にかかる以前作ったウクレレをふと眺めてうっとり

作業の手を休めて窓外の緑を眺めてうっとり

鳥の声が耳に入ってきてうっとり

昔作ったウクレレを手に取り、しばし弾き比べにまたうっとりして、そのうち弦交換をいろいろ試し始めたりもします。

ウクレレ作り作業に戻って塗装しながら光沢にまたうっとり

私のウクレレ作りはうっとりの合間にうっとりしながらやっていたようです。

これでは増産にならないのは当然かも。

ビジネスの世界では、こういうのをどんどん省いて無くしていくのを合理化というわけで、余計な時間と空間をどこまで削れるかを競っているわけですから、一十舎は全然ちがうところにいたのですね。

しかしこのうっとりの中からいろんなアイデアも湧いてきて、一十舎ならではの他に類のないウクレレができてきたと思いますので、一十舎のウクレレ作りはうっとりと不可分のような気もします。

うっとりと気持ちよく暮らしたくてはじめたウクレレ作りですから、むしろこれが本望かもしれません。

うっとりのくつろぎの中からできてくるウクレレを作りたかったのでした。

というわけで、ここに謹んで、ウクレレの増産はむりかも宣言をしておきます。代わりに今後ますますうっとりの大増産は続けていこうと思います。

前に「増産象さんの歌」を作ったりしてご紹介しましたが、これはうっとりの大増産の歌だったようですね。

「増産増産 納期が長いのね そうよ 気~が 長いのよ~♪」という歌でした。(*^-^*)

うっとりの合間に時々うっとりとできあがるウクレレにご縁があったらお買い上げいただくということで、ゆるやか~にお考えください。

乞うご期待、の反対に、乞うあまり多くを無期しない、ということでよろしくお願いいたします。

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