スペイン式ジョイントと呼ばれるネックとサイドの接合方式は、上の写真のようにネックのヒール部分に左右から溝を掘って、そこにサイドの先端を差し込んで接合します。クラシックギターはこの接合方式が多いようです。
この溝の幅をどのくらいにするかは、製作者によって異なります。サイドの板厚ぴったりの幅に細く彫り込む人もあれば、太い溝を彫ってサイドを差し込んでから余った空白を木のブロックで埋める人もいます。わたしの場合は、四ミリ幅に彫ってサイドを差し込んでからくさびを打ち込んでサイドを壁に押し付ける方法を採用しています。
溝を彫る方法も人それぞれで、丸のこ盤で彫る人、バンドソーで彫る人、手のこで彫る人などがいます。丸ノコ盤で彫ると一瞬でできあがりますが最初の位置合わせが少しでもずれると修正が難しくなります。バンドソーで彫ると最初の切り口がきたなくなりがちで、また角度の調整も意外と難しく、これもかなりの慣れがいります。私の場合は手のこで切っています。これもきれいな切り口と角度の調整には慣れが必要ですが、熟練するととてもきれいな切り口ができますし、多少のずれは随時修正可能なメリットがあります。
溝の幅を何ミリにするかは、溝を作る方法との兼ね合いで決まってくるところもあり、製作者が手持ちの機械と技術の中で、最もやりやすくきれいにできるものを採用しているわけです。(#^.^#)