トップ、すなわち表板の板厚は何ミリくらいが適切なんでしょうか。
これにはいろんな説がありまして、私が今まで聞いたことがあるのはこんなのです。聞いたときの口調の雰囲気も再現してみましょう。
「まあ一般的には1.8mmから2.2mmくらいじゃないかと思いますよ」
「1.8じゃいくらなんでも厚すぎるから、最低1.6、できれば1.4くらいまでは削りたいっすね」
「トップは薄ければ薄いほど鳴るんですよ。自分なら1.2くらいまで行けます」
と、こういうのをそれぞれ別の人から聞いたことがあるんですが、若い人ほど薄さ競争に走るような印象がありますね。
実際のところどのくらいが適切なんでしょうか。
そう簡単には断言できません。
柔らかい木なのか硬い木なのか、丸い音がいいのか突出した音がいいのか、ウクレレの強度をどのくらい重視するのかなど、それらによって変わってくると思います。
ただ、薄ければ薄いほどいいという発想には少々疑問を持っています。ある程度の厚みを確保した方が、強度の点はもとより、音質的にも安定するメリットがあるような気がしています。
だから私的には、「薄さに挑戦」とは反対に「厚さに挑戦」みたいな気分が昔からあるんです。しっかりと木の性質を引き出せる厚みを取りながらちゃんと鳴るウクレレを作りたい…そのためにはどこまで板を厚くできるだろうか…みたいな感覚です。
私は結構アマノジャクですね。ウクレレのボディはウスレレにして薄くしてしまうし、板の厚みは逆に厚くしてしまうし…どちらもウクレレ界の常識に逆行してます。別に反抗心があるわけじゃないんですが、自分がうっとりする音の方によろよろと惹かれて歩いて行ったら、自然に常識の真反対に歩いてきちゃったんです。
もしかして私の名前はジャック天野にしたらいいでしょうか? 日本語読みの語順にしたら、天野ジャック…あまのじゃっく…あまのじゃく、なんちゃって(#^^#)。
というかなり上質なおやじギャグはひとまず横に置いておいて、常識の反対側で作った最先端のウクレレがこれなんです。トップの板厚は2.2mmも確保してあります。そしてボディの厚みはたったの3センチ。
その音はどうなったか。驚く人は驚くと思います(*’▽’)。興味を惹かれたら買ってみてください。そしてできればレビューと感想を書いてくださるとうれしいです。好みに合う人に出会えればいいのですが(#^^#)。