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ストラディヴァリウスにかけられた魔法

ヴァイオリンの名器ストラディヴァリウスが作られてから300年以上。その間ヴァイオリンの基本様式はほとんど変化していないそうです。

それほどストラディヴァリウス型のヴァイオリン様式は、最初から完成形に到達していたのだ、というふうに説明されるのが一般です。

しかし、あらゆる技術や機器は、どんなに優れたものであっても、時とともに変化し新バージョンが登場するのが、この世というもの。飛行機しかり、自動車しかり、様々な日用品しかりで、それが、時の性質なのでは…。

そう考えると、ストラディヴァリウス型のヴァイオリンが300年以上変化しなかった背景には、時の性質に抗がって変化を許さないエネルギー(圧)が働き続けてきたからではないか、という推測が可能になります。

その圧の源泉は、宗教的権威、国家的権威、経済的権威、西洋文化の優越性の意識、人種的民族的アイデンティティの意識などでしょうか。

ストラディヴァリウスは、それらの思想のいけにえとして音楽の神に捧げられ続けてきた存在のようにも思えます。

300年以上変化することなく西洋楽器のレジェンドとして君臨する栄誉を与えられたストラディヴァリウス型のヴァイオリンは確かに祝福された存在。しかし同時に、300年以上進化を許されないというくびきを負わされたという点では、同時に呪いを受けた存在のようでもあります。時を止めるという魔法は、表から見れば祝福で、裏から見れば呪いに見えます。

そろそろこの魔法の効力が解けて、ストラディヴァリウスをめぐる時も動き始める頃合いでしょうか。

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