あれこれいろいろ

ヘリウムガスを吸って笛を吹く実験

ヘリウムガスを吸って声を出すと甲高い声になります。ダイビングでヘリウムと酸素の混合ガスを吸った後の声などで聞いたことがあるでしょう。

この現象の理由は、ヘリウムは水素に次いで2番目に軽く動きやすい物質で、空気中を音が伝わる速さは秒速340 mほどなのに対し、ヘリウム中を音が伝わる速さは秒速960 mほどで約3倍も速く、そのためヘリウムガスを吸って肺から空気を出すと声道の中を伝わる音の速さも3倍ほど速くなり、そうすると音の振動数が大きくなって音が高くなるということだそうです。ちなみに、クリプトンガスを使うと、クリプトンは空気よりも重い物質であるため音が伝わる速さは遅くなり、音は低くなるのだそうです。

これを楽器に応用して、ヘリウムガスを吸ってリコーダーを吹くとどうなるのか、それからギターの中にヘリウムガスを充満させてギターを弾いたらどうなるのか、という実験がありまして、その結果、リコーダーの音は高くなり、ギターの音は変化しませんでした。☟

ヘリウムと笛・ギターの実験

おもしろいですね。

昨日書いた、発音原理に基づく五つの楽器分類、①体鳴楽器…楽器本体が振動して音を出す、②膜鳴楽器…膜の振動によって音を出す、③弦鳴楽器…弦の振動によって音を出す、④気鳴楽器…主に空気の塊を振動させることによって音を出す、⑤電鳴楽器…最終的に電磁気力によって音を出すという分類で言うと、気鳴楽器はヘリウムガスによって影響を受けるが、その他の楽器は影響を受けないということになるのかもしれません。

ただ、太鼓などの膜鳴楽器の中を密閉状態にして様々なガスを入れて叩いたら、本当に全く音が変わらないのか、音高や音質に多少の変化はあるのか、何事もやってみないとわかりませんから、そんな実験も興味津々です。もしかして、ガスを変えることによって新しい太鼓を作る可能性だってあるかもしれません。

RELATED POST