スポーツ界の不祥事が色々あってから「アスリートファースト」という言葉をよく聞くようになり、気が付けば、近所の幼稚園の看板にまで「園児ファースト」の文字が踊っています。
考えてみると、楽器製作者も、いろんなタイプのファーストがあるように思います。
まずよくあるのが、楽器ファーストの人。世界最高のギターを作りたいという情熱にかられるタイプ。
それから、販売ファースト。とにかくたくさん売れるのが希望というタイプ。
有名ファーストと言う人もいるでしょう。自分の作った楽器が有名なブランドになるのが夢です。
創作ファーストというアーティストタイプもいそう。インスピレーションが湧くまで作らないような人。
それからお客様ファースト。どのような注文にでも答えて希望に沿う楽器を作る技術者。職人タイプ。
私の場合はと考えると、楽器を持った人の音楽する楽しみや喜びが大きくふくらむような楽器を作りたいという気分が一番濃厚なので、こんなのは何ファーストと言えばいいのでしょうか。まあ喜びファーストとでも言っておきましょう。
別に何ファーストが正しいわけではなく、どれが価値が高いとかいうことでもありません。私の中にもどの要素も全部見つかるわけで、製作者ごとに優先順位が異なることが楽器の個性をはぐくむことになり、世の中の楽器の選択肢を増やすことに繋がっているのかなと思います。