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1000年で10倍以上ゆっくりになった音楽 雅楽

雅楽は10世紀頃の平安時代に大まかな形態が成立してから今日まで古式を継承しているわけですが、実は驚きの変化を遂げていて、なんと1000年で10倍以上もゆっくりになっているそうです。これは1960年代にローレンス・ピッケンが明らかにしたことで、その間延び具合がとてもよくわかる面白い動画をご覧ください。☟

この動画の時間を計測してみたら、元のチューリップバージョンが48秒かかっているのに対し、1000年かけて延びたチューリップバージョンが567秒かかっています。1分もかからないチューリップを10分もかけて演奏するんですから、その差なんと約12倍。単純計算で1000年に割り振ると2年で1秒遅くなるということで、何やら地殻変動的スピード感です。

どうしてこんなに遅くなることが起きたのでしょう。

1000年の工夫が重なり、平安行列に侍女やら稚児やら旗持ちやらが少しずつ加わっていつしか10倍も長い行列になったみたいなことが起きたのでしょうか。あるいは、宮廷儀式の終了時間に合わせるために時間を引き延ばす技術が発展したなどという現実的理由があったのでしょうか。色々可能性はありそうですが、謎は深まるばかり。

雅楽ばかりでなく、能なども随分ゆっくりな印象がありますが、このスピード感も共通の理由があるのでしょうか。