昨日アトリエから帰宅してパソコンを開きますと、二通のメールが入っていました。
一昨日、販売に出したとたんに、机から転げ落ちて大ケガをしてしまった木曽ヒノキのウクレレについて、いい音が出ていたのにかわいそう、キズ痕があるのもひとつの味わいということで、修復が済んだら購入したいという申し出がお二方から入っていたのです。
このメールを読みながら、最近同じような話にどこかで触れたような既視感が一瞬ありまして、考えてみるとそれは、ケガをして後遺症の残った犬を引き取って育てたいという愛ある申し出がたくさんあって、その犬は今、その中の一人に引き取られて、愛に包まれてしあわせに暮らしているというテレビの話なのでした。
この犬の話のイメージも重なりまして、私は修復療養中の白い木曽ヒノキウクレレにこう思いました。
「シロや、シロ、お前を愛してくれる人が現れたよ」
シロは、しっぽを振ってわんわんと言う代わりに、体を共鳴振動させてぽろんぽろんと鳴りました。
と、こんなことが昨日ございました。
ありがとうございました。愛のあるやさしい申し出がふたつもあるなんて、私もシロもたいへん喜んで感動しております。
昨日の午前中から修復にとりかかっておりまして、キズ部分は埋めました。弾いたときに、ひっかかったりすることはなく、指先で撫でてもなめらかです。見た目にキズ痕はどうしても残るようです。白い透明な感じのボディ色は修復が難しいです。今日もまた修復の続きをする予定ですのでしばらくお待ちください。