一十舎のウクレレの特徴

ロゼッタに木を埋め込み

旅から戻りました。

写真は、ロゼッタ模様として木を埋め込んでいる途中です。このあと表面を削って、トップと面一(つらいち)にします。

ロゼッタとは、サウンドホール回りの装飾のことです。語源的にはバラ(ローズ)の花の配列を示す言葉からきているようです。タンポポやオオバコの葉のような放射状の広がりをロゼットと言うのも同じ語源です。石がぐるりと配列されている遺跡をロゼッタストーンと言いますが、これの言い出しっぺは不明で語源はわからないそうなのですが、もしかしたら同じくバラの花の配列からきているのかもしれませんね。

上の写真では三色の木を順に埋め込んでいます。ほかにも二色にすることもあれば、四色にすることもあります。二色と三色のときは、埋め込む木の長さの微調整でバランスよく配列することが比較的容易にできます。しかし四色だとちょっと難しくなります。四色のときは、ひとつの色を基調にして他の三色を配分してみたり、並べ方をわざと不規則にしたりして、ちょっと工夫が必要です。

上の写真では、ロゼッタに使用した花梨の赤茶、ローズウッドの濃茶、チークの薄茶のそれぞれの色味が、トップの楠の中にも全部含まれているせいか、トップとロゼッタがほどよく調和していい感じです。

ロゼッタにこのように木を埋めるのも一十舎の特徴のひとつです。他社で類似品を見たことがありません。一般には貝を埋めるかアクリル板を埋めることが多いようで、一十舎でも当初は貝を使っていたのですが、あるとき木を使って配列してみたところ、とても私の感覚にしっくりきて、しかも様々な木の色味のバリエーションが豊かなので、自然に木を使うことに落ち着きました。

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