作レレ

売らない一本 オールマホガニー

この画像の一本は、売らないでずっと目の前に置いてあります。

100%マホガニーの一本です。特別に変ったところもない一本です。

何で売らないかというと、これは今のところ、一十舎のウクレレのものさしだからです。

何の変哲もないからこそ、ものさしになります。

この一本を中心にして比較することで、ほかの作品の特徴がよく見えてきます。音がやわからいとか、キレがいいとか、少し響きは小さめとか、サスティーンがいいとか、持ち易いとか持ちにくいとか、重いとか軽いとか、あらゆる面で基準になり、各作品の質がわかるようになります。

また単に比較基準であるだけでなく、作品のレベルを維持し、さらに向上させていくための到達点を可視化する意味もあります。総合的に見てこの一本と同等レベルを保っていると感じられれば、かなり高いレベルに仕上がっていると言えます。そしてこれを超えていれば、非常によくできた一本です。これをかなり下回る印象であれば、売りには出しません。これを基準にすることで、検品不合格とみなして売りに出さないことにしたウクレレが数本あります。

日々思うところは、この一本と同等以上のウクレレを常に作り続けたい、そして、これを超える魅力あふれるウクレレをたくさん作っていきたいということです。

一十舎のように、どんどん新しいものを作って、一品ごとに異なる個性のものを作っているところだからこそ、こういう基準の一本が必要です。これからあるからこそ、個性豊かなものを安心して作っていけるんだと思います。

というわけで、重要な一本です。

いい音なんです。(^^)/