あれこれいろいろ

日本人は実は音楽のノリがいい という説

昔スペイン旅行に行ったとき、バルセロナの路上で音楽が鳴り出すと、通りがかりのカップルが自然に躍りだして、はっとするほどかっこ良かったんです。そのあまりに自然なノリ方に感動すると同時に、日本人にはこのかっこ良さはないなあと思ったものでした。アフリカの人々のリズム感や、ラテンの奔放な自由さや、アラブやアジアの情熱、欧米人の流れるようなリズム感とか、それぞれの音楽的なノリの良さは、本当にうらやましい限り。

日本人は、のりを食べるのに、どうしてノリが良くないんだろう…というのは冗談ですが、日本人が音楽的にノリが良い民族とはあまり思えない、と正直思っていたのですが、最近世界の音楽事情を色々と調べてるうちに、その考えが変わってきました。「実は日本人のノリの良さは、世界の類がないほどすごいかも」、と。

というのは、世界のどんな音楽ジャンルやどんな楽器を調べても、必ずそれに取り組んでいる日本人が出てくるんです。しかも一人や二人じゃなく結構な人数で、真剣にどっぷりはまり込んでやっている人がいるんです。日本人のフラダンス人口の多いこと。ヨーデル同好会もあれぱ、フラメンコサークルもあれば、世界のフォークダンス研究会。ガムランに取り組む人たちに、アイリッシュダンスの同好会。アフリカンドラムサークル、パンフルートサークル…などなどあげればきりがなく、メジャーな音楽はもちろん聴いたこともないようなジャンルの音楽も、古代から現代までのどんな時代のものも、日本人がはまり込んでやっています。その真剣さはプロもアマもさほどちがいはなく、これはつまり日本が世界に誇るオタク文化とつながる民族性なのかもしれません。

世界にこんな民族はそういないだろう…と思うようになりまして、日本人は世界一ノリがいいかも、と考えが転換してきました。

音楽が聞こえた瞬間の瞬発的なノリの良さはラテンやアフリカの人たちは本当にすごいと思いますが、日本人のノリは長距離走的とでも言いますか、じわっと静かに走りぬけていつのまにか溶け込んで、自分のものにしていく感じは、世界に類を見ないすごさがあると思います。長距離走向き音楽筋肉なんですね。こういうノリ方は、農耕民族の歴史から来るのか、世界の端の島国だからなのか、理由は特定できないですが、やっぱりあれですかね、普段からのりを食べてるからですかね。