尋常小学唱歌の中には、物語(童話又は神話)類型の歌が四曲あります。
第一学年 桃太郎、花咲爺
第二学年 浦島太郎
第五学年 八岐大蛇
通して聞くと、鬼がやっけられ、いじわる爺が殿様に縄をかけられ、遊び暮らしてきた浦島は突然老人にさせられ、大蛇は八つ裂きにされ、ひどい目に合う者が必ず登場しており、信賞必罰の思想が濃厚です。悪が滅ぼされると、善の者は宝を得るということも多く、悪と決めつけた者を滅ぼすことを、道徳的正しさと経済的利益に結びつける傾向も見られます。それはやはりその後の日本の軍事的姿勢のひな型になっているように思えます。