一十舎のウクレレの特徴

ウクレレの腰のくびれはどのくらいがお好きですか

冒頭の写真のふたつのウスレレのちがいはどこにあるでしょうか。

実は、腰のくびれ具合がちがうのです。
左側はぐっと内側に押し込んでくびれを大きくしてあり、右側は押し込み具合を弱くしてくびれを小さくしてりあります。

スペイン式ジョイントでウクレレを作成すると、くびれの押し込み度合いを、その時々で自由に変えることできるので、こういう微調整が可能です。

押し込み具合を変えた結果として、ひょうたん形の上下のふくらみの大きさの比率も違ってきているようです。

腰のくびれが大きい方が、グラマラスな感じになりますね。でっぱりと引っ込みがはっきりしている方がセックスアピールを感じる人が多いようで、女性ならグラマラス、男性ならマッチョ、という表現になるのでしょうか。でも、最近は、あっさりとしたシルエットの方が好きという人も増えているかもしれませんね。

私のここでの一番の関心事は、シルエット問題よりも、音響的なことにあります。くびれの強弱が、音響的にどんな影響があるのかということです。

いくつかのパターンを作ってみた印象としては、くびれの大小は、一弦の響きの印象をかなり左右するように感じています。一弦というのは一番高音のA音の弦です。低音弦の方にも同等の影響は出ていると思うのですが、ウクレレは高音弦がメロディーラインを形成することが多いので、より強い印象となって残りやすいのかもしれません。

確定的なことはまだ言えないのですが、くびれが浅いと一弦の音はふっくらと柔らかい感じになり、くびれが深いと金属的な響きを帯びてくるような気がしています。金属的というとよくない感じを受けるかしもれませんが、柔らかさに金属的な響きが適度に加味されると、それは「きらびやか」という表現にもなり得るので、一概に良しあしを言うことはできません。前にも書きましたが、くびれを作ることで、幅が狭くなっている部分の音圧を変える効果を作っているのではないかという仮説を立てているのですが、くびれが深すぎると、音圧が高まりすぎて刺激的な響きになるのかもしれません。適度なレベルで音圧を高めると、ウクレレの柔らかい響きに、張り、輝き、艶、強さといった要素を加味することができるような気もしています。

ここに書いてることは現段階での私ひとりの仮説にすぎませんので、そういうつもりで読んでくださいね。

どの程度のくびれがいいのかというのを最近ずっと検証しているのですが、深すぎず浅すぎず、このくらいが適切というところが、ある程度の幅でありそうに感じています。