あれこれいろいろ

ホーミーどうして問題 

モンゴルのホーミーには、 唇のホーミー、上顎のホーミー、喉のホーミー、鼻のホーミー、 胸のホーミー、 言葉のホーミーの6種のやり方があるそうで、それをわかりやすく紹介している動画がこちら。☞ 6種類のホーミー紹介

また5種類のやり方に分類する考えもあるようです。

ウイキペディアによると、ホーミーはアルタイ山脈周辺のオイラト系モンゴル人とテュルク系の諸民族の間に伝わるものです。

モンゴルのホーミーの発祥地はボブド県チャンドマニ村(チャンドマン村)だとも言われており、チャンドマニ村の人はそれを誇りとして、子供のころから全員が練習を始めるそうです。モンゴル映画には、「チャンドマニ~モンゴルホーミーの源流へ」というものがあり、その予告編がこちら。☟

この二重音声の不思議な発声はどうして生まれたんだろう、何のためにこれをやるんだろう、という疑問ってありますよね。あちこち調べてみると、遊牧民が家畜を呼ぶために使っていた発声から始まったとか、シャーマニズム的な超自然力と結びつくことができるからとか、家畜の授乳を促進させる効果があるとか、馬が喜ぶとか、特殊な伝達力-耳の聞こえない人にも聞こえた・水中でも届いた-とか、自然の音—風の音・水の流れ・鳥のさえずり・羊やヤギや馬の鳴き声など-を模倣したところから始まったとか、アルタイ山から吹く風が谷間を通る時に鳴る音がホーミーに似ているとか、様々な話が散発的に出てきますが、明確な根拠までは示されていません。様々な話が出てくるということ自体、裏を返せば決め手がないということを意味するのかもしれません。

1994年にボブド県チャンドマニ村まで調査に行った山田真司氏が現地で聞いてみたところ、ホーミー歌手のナンゲーン=センゲドルジ氏からの答えは、「家畜の授乳を促進するためにホーミーを歌うことはない。ホーミーを歌う人々は自分たちの楽しみとして歌っている」との答えだったそうです。(伝統的歌唱法「ホーミー」についての聞き取り調査と知覚実験 山田真司 から抜粋)

自分たちの楽しみとして歌っているとはずいぶん簡単な答えですが、しかしよく考えてみればとても本質的な答えかもしれません。音を楽しむと書いて音楽ですから、楽しむために歌が始まって、いろんな理由や経緯があるにしても、最後は全部まとめて楽しいに帰っていく、そんなのが音楽と考えれば、ナンゲーン=センゲドルジ氏の答えは、大変音楽的で腑に落ちる答えのように思えます。

ということで最後に、ホーミーではないですが、ただ楽しいがまっすぐ伝わってくるようなモンゴルの音楽をひとつ。☟

 

RELATED POST