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音楽による脳の同期の研究

音楽演奏者と聴衆の脳が同期するとか、音楽演奏者同士の脳が同期するとか、ラットも人も同じ脳メカニズムで音楽に同期するとか、音楽によって脳が同期するという現象の研究がいくつかあるようです。

聴衆とヴァイオリニストの間の脳間コヒーレンス

ラットとヒトの脳メカニズムと音楽同期

脳という分離された端末が音楽によって同期するというのは結構すごいシステムだなあと思ったりします。バラバラの脳がネットワークになる仕組みとして音楽があるとすれば、人の歴史とともに常に音楽があったのも確かにうなづけます。

音楽の機能のひとつがこのような脳間同期にあるとすれば、同時に同期する端末(脳)の数を増やすことが音楽のひとつの方向性になってくるので、楽器が大音量化する方向に進化したり、多くの人が理解しやすい大衆音楽・ポピュラー音楽が起きてくるのは歴史的な必然ということになりそうです。

他方で小さな限られた範囲でのみ同期したいという欲求も自然に起きてきて、特定階級や特定集団のみに特化した音楽が生まれてくるのもまた対抗的な歴史の必然でしょうか。

そしてここ二、三十年の間にパソコンやスマホを通じて同じ演奏を世界じゅうの人がいつでもどこでも何度でもランダムに聞くことができることになりました。これは音楽が歴史上いつも制約を受けていた時間と空間の制約がなくなったということを意味するのかもしれません。音楽による同期が時間と空間の制約なくいつでもどこでも起きるという状況はヒトがはじめて体験する未体験ゾーン。一体何が起きてくるのでしょうか。

クセになる歌と踊りと筋書きが話題の「パリピ孔明」というアニメのことなんですが、くだらないかと思いきやこれがなかなかおもしろく、現代の渋谷に転生した諸葛孔明が音楽で古代中国ではなし得なかった太平の世を作るべくシンガーソングライター月見英子の軍師(マネージャー、プロデューサー)として活躍します。こんなアニメも音楽が時間と空間の制約を超えて人々が同期する現状をあたりまえの前提として取り込んでいるように思えます。漫画やアニメは30年くらいは時代を先取りして未体験ゾーンを可視化してくることがあるので、未来を考えるヒントがいろいろあります。

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