あれこれいろいろ

ボディシェアリングと音楽 その5

昨日も紹介しましたこちらの動画の23分過ぎあたりから、楽器演奏で利用する試みの実験をすでに始めていることを話題にしています。

開発者の玉城絵美教授自身が、ギタリストの指の動きをインストールしてその電気信号を筋肉に与えて自分の手に再現したところ、動きが速すぎて5秒くらいで小指がつったそうです。プロとアマチュアでは筋肉の鍛え方などが違うので、他者の動きを再現するには受け手の肉体の準備が必要になるのでしょう。ただ筋肉に電気刺激を与えるとその筋肉が鍛えられるので、プロのギタリストの指の動きのデータを利用してギタリスト用の合理的な筋肉の鍛え方のプログラムを組むことも可能かもしれません。

またピアノや琴などのボディシェアリングの実験では、演奏の指の動きを複数の被験者が体験すると、そこから学ぶ人とそうでもない人に分かれ、演奏してみたいという意識がある人は学びとって実験後も自分の手の所有感は変わらないが、その意識がなくぼーっとしていた人はあまり学ばず、実験後には自分の手の動きを確かめてみたりと自分の手の身体所有感が減ったような仕草が見られるのだとか。ボディシェアリングと受け手の意識の関係もなかなかおもしろいテーマです。