あれこれいろいろ

ファルセットボイス ヴァケーロがギターと一緒にハワイに残したもの

1832年、メキシコ(現カリフォルニア)のヴァケーロたちが牧童の仕事を教えるためにハワイにやってきて、ギターを初めてハワイに持ち込むと、その独特の歌い方もハワイに残りました。ヨーデルのように高いピッチの声を使いこなすファルセットボイスです。たとえばこんなです。↓

メキシコのヴァケーロ(ハワイ流に言うとパニオロ)の影響おそるべしです。それをやすやすと受け入れたハワイの人々のオープンさもまたおそるべし! この交流を起点として、スラックキーギターとスチールギターとハワイアンの歌声とそこに加わるウクレレとで形成されたハワイアンミュージックは、世界に向けて大きく漕ぎ出していくのです。

メキシコのヴァケーロの文化は元をたどるとスペインの文化で、他方ウクレレを持ちこんだのはポルトガルの人々です。二方向からイベリア半島のギター文化がハワイに入ってきて、ハワイ音楽をちょうどよいタイミングではぐくんだのは不思議な偶然でした。またヴァケーロにはアメリカ先住民やアフリカの人々の文化も融合していることも忘れることはできません。それらの多様な文化とハワイのフラの文化が融合する触媒として、ハワイ王室(カメハメハ三世、カラカウア王、リリウオカラニ女王など)がいつもキーマンとして登場するのも非常に興味深い現象です。

 

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