布哇と書いてハワイと読める人はあまりいないでしょう。こちらは1930年頃のホノルルの日本人寄港者向けのガイド本。
冒頭の写真はその本の中にある広告で、コア細工の宣伝をしています。ウクレレの絵も見られて、コアウクレレが1930年ころに日本人向け観光土産のひとつになっていたことがわかります。広告文を一部抜粋すると…
値段が張らず、そして永久に布哇寄港の記念となるものはコア及びココナツ細工品であります。ご承知の如くコアは西洋のマホガニーに比すべき世界の名木で…家具及び種々なる細工品に用ひられ布哇みやげとして最も歓迎されます。…コア製の煙草盆、シガレット箱、ステツキ、寫眞アルバム、盆、鉢等いろいろあります…
なんだか当時のくらしが想像されて、自然に笑みがこぼれてきます。
現在、最高のウクレレ材といえばコアですが、当時は名木と言いつつもハワイではごくありふれた木であった様子も伝わってきます。
私は、こういうのを読むと、コアでウクレレを作ろうと思うのでなく、日本にある身近な木でウクレレを作りたいと思うのです。ポルトガルから来た楽器がコア材でハワイの音楽を生んでいったように、日本にある身近な木で作ると日本の土地と結びついた新しい音楽が生まれてきそうな気がするからです。