あれこれいろいろ

月桂樹の板

この濃茶の板は月桂樹です。月桂樹はクスノキの仲間で、葉は香辛料のローレルになります。頑丈で硬い木ですが加工性はよいようです。持った印象は、重みがあって緻密な感じです。

珍しい板があるとチョコチョコ仕入れてストックするのが私の趣味です。月桂樹でウクレレを作ったらどんなウクレレになるだろうと思うとわくわくしてしまう私のサガなのです。

月桂樹の木の言葉は、栄光、勝利、栄誉、だそうです。ギリシア神話のアポロンとダフネの物語から、アポロンの聖樹として神聖視され、古代ギリシアではその葉で「月桂冠」をつくり、勝利と栄光のシンボルとして勝者や優秀な者たちの頭にかぶせたそうです。「栄光」「勝利」「栄誉」の言葉はこれに由来します。

今年はオリンピックの年ですから、月桂樹でウクレレを作るのに最適かもしれないですね。

以下に、そのアポロンとダフネの物語を載せておきましょう。それはこんな話です。

ある日、太陽神アポロンは、愛の神エロースの持つ小さな弓をからかいました。怒ったエロースはその仕返しに、相手に恋をする黄金の矢をアポロンに撃ち、逆に相手の愛情を拒絶する鉛の矢を河の神の娘ダフネに放ちました。このため、アポロンはダフネに求愛を続けますが、ダフネは頑なに拒絶します。そして、ダフネはアポロンの求愛から逃れるために、自分の姿を変えるよう父に願いました。娘の望みを聞き入れた父は、ダフネを月桂樹に変えたといいます。
ダフネの姿を見てひどく悲しんだアポロンは「せめて私の聖樹になって欲しい」と頼むと、ダフネは枝を揺らしてうなずき、月桂樹の葉をアポロンの頭に落としました。アポロンは、永遠の愛の証として月桂冠をつくり、永遠に身に着けたといいます。アポロンとダフネの物語というのはこんなだそうです。

神話というのは、現代人の理性的解釈からすると、なんでこうなるの?という気分になりますが、神話はそういうもとして受け取るしかないのかもれません。ともかく月桂樹は河の神の娘ダフネが姿を変えたものなのですね。そして太陽神アポロはダフネちゃんが好きで好きでしょうがなかったのですね。ダフネちゃんに刺さった鉛の矢を抜いてあげたい気分になります。そうしたらアポロンとダフネは相思相愛のしあわせなカップルでしょうに。

もしかしたら、月桂樹に姿を変えてしまったダフネちゃんは、鉛の矢が抜けたとたんに、もとの美しい河の神の娘ダフネちゃんの美しい姿に戻って、燦然と輝く姿を河の上にあらわすのではないか、そして太陽神アポロンと永遠の愛に結ばれるのではないか…そんなギリシャ神話の後日談を思い描く私です(*^_^*)。

 

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