あれこれいろいろ

純音と楽音と噪音 楽音への愛と噪音への愛

音は純音・楽音・噪音の三つにわけることができます。

純音とは、ラジオの時報のような、倍音を含まない機械的な音
楽音とは、楽器や声が奏でる音のような、基音と倍音を含む音程を感じやすい音
噪音とは、打撃音、摩擦音、破壊音、声の子音のような、音程を感じにくい音

純音は機械的に作らない限り世界に生まれることはないので、自然界にあるのは楽音と噪音のふたつです。そのため噪音のことを非楽音とも言います。噪音は楽音に比べて周波数構成が複雑なので音程がとらえにくくなります。私達の生活の中は噪音にあふれています。自動車の音、食器がふれる音、布がすれる音、風の音、雨の音などなど。

西洋音楽の基本の音は文字どおり楽音です。周波数で音高を整理し、正確な音程と均質な音色を追求しました。楽器もそのような正確で均質な音が出るように発展しました。西洋音楽でもリズムを刻むために打楽器による噪音は使われますが、それ以外の噪音はできる限り排除されてきました。美しく整理された楽音だけを抽出することを通して、天的な美の音楽に到達しようとしたのでしょうか。

ところが日本音楽はこれと正反対。楽音が均質であることは必ずしも必要ではなく、噪音への愛が顕著なのです。

その点についてはまた次回に書きたいと思います。

 

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