ポテトチップスを噛むときの音を聞きながらポテトチップスを食べると、人は実際以上にポテトチップスをサクサクした新鮮なものと感じるそうです。この研究はある年のイグノーベル賞を受賞し、そこから音響をシェフが利用できる食材のひとつとみなす音響調味という考えのレストランが生まれたり、食べ物を実際以上に甘く感じさせる音を使って砂糖の摂取量を控える糖尿病患者用の音のプレスリストを探すというアイデアが生まれたりしました。
食事のときに音楽を流すという習慣は、西欧の宮廷から現代のレストランまで、われわれの生活に深く浸透しています。その多くはリラックスした雰囲気作りという程度の感覚で選択されているのでしょうが、もっと味や食感に具体的に結びついた音楽作りをして、メニューごとに音楽を変えたりするのも楽しい体験になりそうです。
参考・「おいしさ」の錯覚 チャールズ・スペンス著 角川書店
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