あれこれいろいろ

音波は縦波でっせ、というはなし

音が空気中の波であることは一般に知られていますが、多分横波(下図の上の方)のイメージの方が多いのではないでしょうか。でも、実は音波は縦波(下図の下の方の波、粗密波ともいう)です。縦波は、うねる波と言う形ではなく、空気の粗密が伝わっていくのです。冒頭の音叉の図形のように音が横波の形で表現されることが多いのは、縦軸を振動の強さ、横軸を時間ということにして図形化した結果、そのようなイメージになっているにすぎません。

 

横波は波の伝わる方向と振動方向が直角な波で、縦波は波の伝わる方向と振動方向が一致する波ですが、横波は媒体に横ずれを戻す力(ずり弾性)から生まれ、縦波は媒体の粗密を元に戻す力から生まれます。気体や液体にはずり弾性がないので横波は個体にしか伝わらず、粗密を元に戻す力は気体にも液体にも個体にもあるので縦波はいずれの媒体でも伝わります。いずれにしても媒体がない真空には縦波も横波も起こりません。

そこで疑問になるのが真空を伝わる光(電磁波)はどうなのかということですが、磁場が変化すると電荷に力が働いて電荷を移動させて電流が流れ、電流が流れると磁場に変化を及ぼす、という相互作用が起こり(電磁誘導)、このような相互作用により空間的なエネルギーの “ 周期的な振動 ” 状態が作り出され、空間を電磁的エネルギーが伝播されていくことから、これを「電磁波」と呼ぶのです。

というわけで、われわれが聴く音楽は全部空気の縦波です!

「この空気の縦波は味わいがある」、「この粗密波の構成がたまらない」、「空気の粗密を元に戻す力の迫力がすごい」というのが、論理的に正しい音楽の楽しみ方!(たぶん)

もし仮に宇宙の音楽や天上の音楽を聴いたという体験があれば、宇宙には縦波や横波の元になる媒体がありませんから、その正体は電磁波にちがいなく、脳が電磁波を空気の縦波のように再解釈したということになるでしょう。

 

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