注文で製作していたソプラノロングネック(コンサートサイズの弦長)のネコレレのウスレレが完成して昨日お客様の手元にお届けすることができました。
トップは姫小松とマホガニーを左右に合わせ、バックとサイドは榧(かや)材です。
Necoちゃんの飾りはウォルナット材、白い蝶々はカエデ材。
手元に届いて弾いて見て、「サスティンが長くて感動」、「木材の香りもよく、化学物質過敏症の私には一十舎さんのウクレレはすぐに弾くことができてとても嬉しかった」、という感想を送っていただきました。喜んでいただけて私もほっとひと安心。
化学物質過敏症でもすぐに弾ける、というのは私にも新しい視点でした。使っている材木は自然木の単板で、塗装はオイル塗装部分と自然素材塗料であるシェラック塗装部分があるのですが、どちらも基本的に化学物質ではないので、言われてみれば、こういうウクレレは他にあまりないのかもしれません。市販のウクレレにあるウレタン塗装などは、ピカピカの鏡面のような光沢が出やすく塗装の手間も比較的少ないメリットがあるものの、一十舎では、オイル塗装とシェラック塗装を続けてきました。それは、別段こだわりというほどのものではなくて、その方が自分の感覚にしっくりくるからという程度の理由だったのですが、化学物質過敏症でもすぐに弾けたという言葉をいただいてみると、そういう自然素材の風通しの良さみたいなものに私も肌感覚で惹かれていたのかもしれません。
化学物質過敏症では匂いも大事なポイントであることが多いようで、オイル塗装もシェラック塗装も木の通気性を妨げず、いわゆる木が呼吸すると言われる状態、つまり通気性や透湿性がある状態が保たれますので、自然な材木の香りも残りやすいと思います。
新視点に気付くきっかけを頂けて感謝です。