姫小松と榧(かや)による小型ルネサンスギターです。古楽器奏者の岩田耕作さん(古楽アンサンブル・ハルモニーセレスト)と一十舎の共同開発によるルネサンスギターです。姫小松と榧という日本の木を使い、和の響きを探りました。
岩田さんの演奏による試奏動画が二本あります。どうぞご覧ください。↓
お値段 ただいま準備中 円(税込み。ストラップとケース込み。送料は別途)
【本器データ】
一十舎 2021年製作
全長(ネック先端からからボディ下端まで) 605mm
ボディ最大横幅 165mm
ボディ厚み 50mm
弦長 410mm
表板 姫小松
裏板・側板 榧
ネック マホガニー
指板 楓と黒檀
ブリッジ ローズウッドと黒檀
ペグ 黒檀
巻きフレット テグス魚紋16号
弦 キルシュナーのガット弦(DLシリーズ)
1コース(A・単弦)…0.50mm
2コース(E・複弦ユニゾン)…0.60mm
3コース(C・複弦ユニゾン)…0.73mm
4コース(G・複弦オクターブ)…0.88mmと0.52mm
特製布ストラップとセミハードケース(バイオリン用のケースに手を加えてあります)が付属します。
【ルネサンスギター使用の岩田さんの演奏会CDをプレゼント】
写真に写っているCDを一枚サービスでお付けします。これは、古楽器奏者の岩田耕作さんが、一十舎のルネサンスギターほかを使用した演奏会のCDで、ルネサンスギターの響きを感じていただくことができます。
【特製古楽器用ストラップ…他では入手できないので貴重です】
この時代の古楽器では、ストラップが必需品ですが、古楽器に合うストラップが市販されていないのが、古楽器演者共通の悩みの種です。そこで、古楽器全般に使用できる布製ストラップを委託開発して、標準装備としてお付けすることにしました。布と紐だけでできていて固い部分がないので、楽器を傷つけるおそれがなく、楽器にかちゃかちゃ当たるストレスがありません。着脱は簡単で、軽量柔軟でかさばりません。エンドピンつきの現代のウクレレでも使用できます。楽器が胸の前の丁度よい高さにもってきて、紐をヘッドにくるくるっと巻き付けて結び付けるだけです。
【ルネサンスギターとは】
ルネサンスギターとは、15世紀から18世紀ころまで、ヨーロッパでリュートと並んで広く弾かれていた小型のギター型古楽器です。現代ギターやウクレレの祖先です。
弦は4つのコースに分かれ、1コースが単弦、2コースから4コースまでが複弦で、合計7本の弦で構成されますが、1コースから4コースまで順にAECGの調弦でウクレレと同じなので、ウクレレが弾ける方は、タッチの違いに最初は少し戸惑っても、その日のうちにもう弾けてしまうという、現代人にはうれしい古楽器なのです。ウクレレのタブ譜かそのままルネサンスギターに使えます。気軽に始められる敷居の低さと本格的な古楽器の音楽的深みを兼ね備えているところがすばらしい古楽器です。
ルネサンスギターの大きさは、バリトンウクレレと同じくらいの大きさで製作復元されることが多いですが、地域や時代によって様々な大きさのルネサンスギターが存在していたことは間違いないと思われることから、一十舎では、大小二種類のルネサンスギターを開発製作することにしました。今回販売するのは小型の方で、コンサートウクレレとほぼ同じボディサイズです。
ルネサンスギターと現代のギターやウクレレと異なる特徴を箇条書きすると、次のような点です。・表板と指板が連続した平面で独立の指板がない。・ブリッジにサドルがない。・金属フレットがなく、ネックにガット弦を巻き付けるガットフレットになっている(一十舎ではガットフレット代用に非常に良いテグスを見つけたのでそれを使用しています。)。・サウンドホールが飾り彫りで覆われている。・2コースから4コースまでが複弦である。・ブリッジの位置がボディ下部に寄っており、弦長はウクレレより比較的長めで、フレット間の幅も広めである。・10フレットジョイントか11フレットジョイントで、総フレット数は12フレットくらいが多い。・弦の張力はウクレレよりも弱く、1弦あたり2キロ台後半から3キロ台半ばくらいが普通である。・本物のガット弦を張るのに適している。・ボディの厚み(表板と裏板の間の距離)は現代のギターやウクレレよりも比率的に薄い。・ヒョウタンのような、あるいは洋梨のような、特徴的な愛らしい形状をしている。
【ルネサンスギターの現代的展開の可能性】
ルネサンスギターは、古楽の世界に本格的に入っていくのに最適であるばかりでなく、今現在も生き生きと変化する今の楽器として、多様に展開する可能性があると考えています。ウクレレ・ギター奏者の屋久島の日向野研二さんが、初めてルネサンスギターを手にした翌日に、ルネサンスギターの響きに触発されて曲想の湧き出るままに即興演奏をしたのを、動画にしてくださいました。ルネサンスギターの現代的展開の可能性を感じさせてくれます。このように自由な展開にまかせて、あらゆる音楽ジャンルでルネサンスギターを取り入れていく可能性があると思います。そうして、やがて古楽と現代音楽の相互乗り入れが起きてくると、音楽世界がまたひとつ大きく豊かになると楽しいと思うのです。
【岩田耕作氏のルネサンスギターのオンラインレッスン】
岩田耕作さんのラインやメッセンジャーを利用したオンラインレッスンもございます。岩田さんのホームページに連絡先がありますので、興味がおありの方は岩田さんに連絡を取ってみてください。岩田さんのレッスンは、とても優しく、ゆっくり、ていねいで、ストレスなく本格的な古楽の演奏に導いてくれておすすめです。かく言う私(一十舎主人)も岩田さんのレッスンを受けておりますが、とても楽しみな時間になっています。☟
古楽アンサンブル ハルモニー・セレスト 岩田さんのホームページ
【共同開発者・デモ演奏者・レッスン講師の岩田耕作氏略歴】
福岡県飯塚市出身
6歳のときに失明。7歳よりギターを、高校入試のために14歳よりピアノを始めるが、そのころから古楽に興味を持ち、上京した15歳よりリュートを、17歳よりチェンバロを始める。
筑波大学付属盲学校高等部音楽科を卒業後ヨーロッパに留学。ブリュッセル王立音楽院にてチェンバロと室内楽のプルミエ・プリ、ストラスブール音楽院にてチェンバロと作曲法の金賞を受賞。
チェンバロを小林道夫、橋本ひろ、アリーン・ジルヴェライヒ、チェンバロとオルガンをロベール・コーネン、バス・コンティニュオとオルガンをマルタン・ジェステール、作曲法をオディール・シャルベ、マルク・アンドレの各氏に師事。
チェンバロ、リュート、ハープなど様々な古楽器を演奏すると共に、器楽、声楽、各種アンサンブル、和声学、合唱などの指導を行っている。
また、言葉のための音楽というバロック音楽の理念を日本語の音楽に行かせないかと模索中。歌曲「水辺月夜の歌」がハンナ作曲賞・歌曲部門入選。
古楽アンサンブル ハルモニー・セレスト主宰 http://h-celeste.jp
【即興演奏動画を作製したくださっ屋久島の日向野研二さんの素晴らしいウクレレ演奏のご紹介。こちらも一聴の価値ありです(^^)】
屋久島民謡「まつばんだ」 Yakushima Folk Song “Matsubanda” – YouTube