ウクレレとその大もとのご先祖様ルネサンスギターが、どうちがっているのかを書いていこうと思います。下の写真が今回試作したルネサンスギターです。まだ少しだけ微調整を残していますが、ほぼ完成しています。
ウクレレとルネサンスギターは、どちらも4つのコースに弦が張られていて、調弦が順にAECGであることが基本的に同じなわけですが、その4コースの張り方が、ウクレレは単弦でルネサンスギターは複弦だということがまず一番目の違いとしてあげられます。
ウクレレはAECGの4コースとも一本ずつの弦が張ってあって、指先で押さえるのは一度に一本の弦なわけですが、ルネサンスギターでは、ECGの3つのコースは各2本ずつ弦が張ってあり、指先で同時に2本の弦を押さえることになっているのです。EとCは二本とも同じ音程のユニゾンで、Gコースはオクターブで張ってあります。
複弦の音は、たくさんの音がシャラーンと鳴るので、きらびやかな印象です。きらびやかなのに、なぜか静かなたたずまいがうしろに感じられます。私が弾いてみて最初に連想したのはクリスマスツリーでした。陰影を含んだ光とでもいいましょうか、とてもキラキラしているのに、静かな感じがします。
ルネサンスギターに限らず、古楽器の撥弦楽器は複弦が多いようです。リュート、ビウエラ、バロックギターなど、みんな複弦です。複弦がギター型古楽器の標準仕様だったようです。昔は羊の腸などから作ったガット弦でしたから、ガット弦の弱いテンションで音を膨らませるには、複弦が適していたのかもしれません。