あれこれいろいろ

千葉工業大学未来ロボット技術研究センター古田貴之さんのロボットと音楽

古田貴之さんを中心とする千葉工業大学未来ロボット技術研究センターのロボット開発がとてもおもしろいのです。

バーチャル空間で数千体のロボット訓練のシミュレーションを行い、それを5時間の間に2万世代の世代交代させると、ヒトが世代交代を重ねて進化したのと同じように、バーチャル空間内のロボットが進化して運動能力を獲得していくそうです。そして、そのバーチャル空間内で獲得した能力(知能)を、現実世界のロボットに転送する技術(ゲイト)を開発したことによって、現実世界のロボットが想像を超える運動能力を獲得して、まるで生き物のように動き出すというのがその研究の骨子です。そのロボットの動きは進化という過程で培われたものなので、個別に数値に基づいて計算された動きとは異なり、開発者にも想像できない生命的な動きになります。次の動画の説明がわかりやすいです。

こういうのを見ると、私はすぐに音楽への影響を考えはじめるのですが、ふたつのことがとりえず思い浮かびます。

ひとつは、音楽演奏ロボットの開発。何万世代もの演奏経験のシミュレーションにより、音楽神経の固まりみたいに進化したロボットを開発することで、人間の演奏能力を上回るロボットが登場するのはそう遠くないことのように思えます。その演奏は、ロボット的な決まりきった演奏ではなく、時と場所に応じて自由自在かつ臨機応変に、まさに生命的な演奏をするようになるはず。

もうひとつは、何万世代分もバーチャル空間で進化した演奏神経を人間に転送するゲイト技術の開発。世のなかにはどんな楽器でもすぐに勘をつかんで弾きこなすような人がいて、私などは、「こういう人は前世も前前世も前前前世も楽器を弾きまくっていたにちがいない」なんて若干ひがみ気味に思ったりするのですが、バーチャル空間で何万世代分も楽器を弾いて進化した演奏神経を私に転送してもらえれば、私も様々な楽器をばんばん楽しむことができるようになれるかもしれない…なんて妄想するとニヤニヤしてしまう私なのです。

というわけで、言葉つながりで次の曲は「前前前世」。