ウクレレの魅力

いろいろスプルース

楽器材の定番と言えば、スプルース。

ギター、リュート、ヴァイオリン、チェロ、マンドリン、ピアノなどの響板はみんなスプルース。軽量で少ないエネルギーで振動し、同時に硬さもあるため反応がよく、立ち上がりのよい透明感のある響きが特徴。伝説的なヴァイオリン製作家のストラドヴァリやアマテイは、よいスプルースを探して、裏山の北側斜面を歩き回っていたのだとか。

スプルースは産地ごとの特質があり、アラスカ南部からカリフォルニア北部に分布するシトカスプルース、カナダのブリティシュコロンビア州北東部からロッキー山脈南部に分布するイングルマンスプルース(エンゲルマンスプルース)、広くヨーロッパに分布するジャーマンスプルースの三種が代表的。

※なお、ジャーマンスプルースは、別名、ドイツ松、ドイツトウヒ、ヨーロッパトウヒ、欧州トウヒ、ヨーロッパスプルースなどの呼び方があり、更に産地を限定して、イタリアンスプルース、スイススプルース、アルパインスプルース、ルーマニアンスプルース、カルパチアンスプルース等と呼ばれることもり、それらを含めて、ドイツで製材出荷されたため、ジャーマンスプルースと一括総称される。

材質の硬さの順と音質の特徴

シトカ > ジャーマン > イングルマン なお、中間のジャーマンの硬さはシトカ寄りで全体としては硬い方、イングルマンはとても柔らかい

シトカスプルース→ 現在最も一般的なスプルース。音質は、パンチがあり活発、透明でストレートでクリア、粒立ちの良いキラキラと明るい音色。ストロークでも音がつぶれにくく、弾き語りや強いストロークに向く。高音が細く感じられることもあるが、それが魅力として好まれている。音量は適度に出る。材の強度があり、薄く作ることができる。

ジャーマンスプルース→ 高音の伸びが美しく、透明感がある。レスポンスが良く、音抜けが良く、遠達性がある。柔らかさと芯の強さを併せ持つ。音質は地味な感じがありつつも、そこに気品がある。

イングルマンスプルース→ 色白の材なので、ホワイトスプルースとも言われる。音が繊細で温かみがあり倍音が豊か。軽い力で鳴りやすく、繊細な弾き方に向いている。強いストロークはやや不向き。音量や遠達性はシトカよりわずかに優れている。非常に軽量で繊細なので、あまり薄く作るのは避けた方が無難。

以上の三種のほかには

アルパインスプルース(イタリアンスプルース) → ヨーロッパアルプス山脈周辺の標高1000~2000mに分布。シトカよりしなやかで温かみがあり、芯の強さもある。シルキーで豊かな倍音。高級材。ストラディヴァリウスに使われたとも言われる。ヨーロッパの最も伝統あるジャーマンスプルースとも呼ばれる。

カルパチアンスプルース → ルーマニアのカルパチアン山脈に分布。マンドリン製作では最高の材とされる。東欧スプルースとも言われ、ジャーマンスプルースのひとつ。軽く硬い材で、音の反応がよく伝達率がよい。柔らかい中にも芯がある。ヨーロッパのスプルースの中で最高峰という評価もある。

ルーマニアンスプルース → ルーマニア産のスプルースの総称又は東欧産のスプルースの総称で、ジャーマンスプルースのひとつ。古くからピアノやヴァイオリンの響板に使用された。スタインウェイ、ベヒシュタイン、ベーゼンドルファーのピアノの響板は、伝統的にこのルーマニアンスプルースで作られていた。振動効率がよく、音量がやや大きく出る。

ルッツスプルース → カナダのブリティッシュコロンビア州北西部とアラスカ州の国境付近に分布する。シトカスプルースとイングルマンスプルースの自然交配種のため、両方の性質を持つハイブリット種。シトカとジャーマンの中間的な剛性を持つ。反応がよく、遠達性があり、柔らかさの中に芯がある。弦楽器製作者の中には、最高の材と絶賛する人も少なくない。

アディロンダックスプルース → レッドスプルースとも言われる。北米東部のアパラチアン山脈からカナダケベック州に広く分布。音量が大きく、力強い透明な音色。シトカの透明さにジャーマンの上品さが加わるとも言われる。強く弾いても音がつぶれない。非常に硬く、最も強度がある。戦時中に飛行機の翼の骨組みに使われて枯渇したが植林で復活。奏法にパワーと技術を要すると言われ、ナイロン弦よりスチール弦に向くと言われる。

 

 

 

 

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