ルネサンスギターを作るようになってから、いろんなロゼッタを試してきました。作った順番にデザインを並べるとこんなです。
羊皮紙と木のコラボ形↑。木の方はルネサンスギターによくあるデザイン。デザイン羊皮紙を裏に貼るのもルネサンスころよくあったらしい。
これはリュートによくあるデザイン。ちょっとイスラムふう。↑
これはストラディヴァリのバロックギターに使われていたのを少し簡略化したデザイン↑
これは六角形と四角形を組み込んだヨーロッパの基本デザインらしい。↑完全数六と四元素で宇宙の調和と完全性の概念をあらわす的な形のようです。
いろいろ試した結果、現在は、この一番最後のものを作ることが多くなっています。作り終わって眺めていて心地良い感じが続くのと、作りやすいことが理由です。これは六角形と四角形を組み込んであるとのことですが、今まで試したデザインは、どれもみんな基本六角形になっているようで、ヨーロッパのデザインをもとにしている関係から、基本をたどれば同じなのかもしれません。
これをバラ(ローズ)にたとえてロゼッタと呼ぶわけですが、バラの花びらの基本は四でも六でもなく五枚のようで、さらに実態としては六枚もあれは七枚もあれば、八枚、十枚、二十枚と、もうなんでもありというのが植物の方のロゼッタのようです。このサウンドホールの穴の飾りはギター類から現代ではすっかり消滅して、穴の取り巻きの輪をロゼッタと言うのですから、今ではもうバラの花を連想しようもありません。
ロゼッタの材質的には、スプルース、屋久杉、榧、メープル、桐など、いろいろでやってみました。榧、メープルは作りにくく、屋久杉は中間的、スプルースと桐は比較的作りやすかったです。
今後またいろんなレパートリーは増えていくかもしれないし、ひとつのものに固定化されていくかもしれないし、いずにしてもあまり歴史的なことにはこだわらず、見ていて心地良さを感じるかどうかを基準に置いてやっていこうと思っています。