作レレ

フリクションペグとギアペグ そしてゴトーのUPT

上の写真の左側がフリクションペグ(ストレートペグ)、右側がギアペグです。

フリクションペグはつまみがヘッドの後ろに突き出るのに対して、ギアペグはつまみがヘッドの横に突き出ます。

フリクションペグが伝統的な形ですが、つまみを一回転させると弦も一巻きという1対1の関係ですので、つまみをちょっと動かすだけで音程が大きく変わってしまいがちで、微妙な音合わせが難しい面がありました。そこでギアペグが登場し、機構にギアを取り入れることで、つまみを14回転で弦はひと巻きという1対14の関係にすることにより、微妙な音合わせを可能にしたわけです。ギアペグの場合、弦を最初に巻くときなど何回もつまみを回さないといけないので大変ですが、普段の演奏時には、圧倒的に音合わせが簡単になります。

そんなわけで最近はギアペグが普及しておりますが、デザイン的に伝統的なフリクションペグの方が好きだという方はとても多く、またフリクションペグの方が軽量でいいというフリクション派の方は沢山いらっしゃいます。

そこでゴトーという会社が、両者の良さを取り入れて、デザインはフリクションペグでつまみがうしろに突き出るのに、ギアも組み込んで音合わせは簡単というものとして、UPTという製品を販売しております。

このUPTがなかなか高級品です。種類にもよりますがペグ一式で8000円から1万円ほどのお値段です。初心者用合板ウクレレなどが、ウクレレ本体に加えて、教本、ウクレレケース、チューナー、ストラップも付けて7000円とか、しかも送料無料などというびっくり価格が横行しておりますから、ペグ一式で1万円レベルは、購入ボタンをクリックする際にキュッと気が引き締まって、横腹がイテテテみたいな気分になるわけです。

そんなわけで一十舎主人はギアペグを使用しておりましたが、古楽器スタイルのウクレレを作製販売しておりますと、UPTを使ってくれという声を一度ならずお聞きします。この伝統的な古楽器スタイルに似合うのはどちらのペグなのかはっきりしてるでしょうというわけです。

私個人はギアペグのデザインがわりと好きなのでそんなに違和感を感じていなかったのですが、古楽器スタイルならペグは絶対UPT とお感じになる方が多いということがわりました。

いま作成中の古楽器スタイルウクレレはギアペグ用の孔をあけて完成間近なのでこれまで通りギアペグとなりますが、今後古楽器スタイルではUPTも取り入れていこうと思います。その際に腹がイテテテとならないよう、暴飲暴食を控えて腹を鍛えはじめております。(*^_^*)