作レレ

鉋の調整 マホガニーを削れるように

写真は私の愛用の鉋のひとつです。(^.^)

まだ比較的新しいので、これから手入れを重ねていくうちに、どんどんなじんでいくでしょう。(^^)/

ウクレレも、弾いているうちに、だんだん音が良くなっていきますが、少し似てるかもしれませんね。

鉋は調整を重ねて変化していくものだということは、あまり知られてないと思います。鉋は買ったままでは使えなくて、沢山調整をして初めて使えるようになるということも、あまり知られてないですね。

ホームセンターで鉋を買ってみたのはいいけど、うまく板が削れないまま放置しているという人は多いと思います。鉋を引くのは難しいと思ってあきらめてしまうわけですが、腕の良し悪しという以前に、鉋を使えるように調整してないわけですから、うまく削れないのは実は当然なんです。売られている鉋の多くが、そうやって調整されず使われないまま錆びているのは残念なことです。(‘_’)

昨日、木工の先生のところに行って、いろいろアドバイスを受けながら、鉋を調整してきました。マホガニーを削るのがうまくいってなかったので、マホガニーを削りやすいようにしたかったんです。

昨日調整した最大の点は刃先角です。

この写真の緑丸のところです。鉋刃を外してななめ横から見た写真ですが、この刃先の角度を26度だったのを30度に研ぎなおしてきました。刃を立てたんです。4度の違いというと、とても大きいです。

刃先は鋭角の方がよく削れるにちがいないと普通は考えると思うんですが、堅い木は鋭角すぎると削れないんです。たぶん刃先が木に食い込んだ直後に木の繊維が割けてしまうんだと思います。むしろ、刃先を立てて鈍角にすると、上から木を押さえつけながら進むので、繊維が割けないで、切り進んでいけるのだと思います。

針葉樹のような柔らかい木なら刃先角は26度くらいでいいのですが、マホガニーのような広葉樹は、板の表面を傷めがちでうまく削れませんでした。昨日、刃先角を30度に研ぎ直してきた結果、かなりよくなりました。刃先を立てると、かんなを引く手ごたえはぐっと重くなるのですが、それはそれでいい感じの安定した抵抗感です。

写真とは別の鉋は刃先角を鋭角なままにして、柔らかい木用に使い分けていくつもりです。

昨日調整したもうひとつの点は、かんな台(鉋の木製の部分)の裏をまっすぐに削りなおして、台下を作りなおしたことです。

写真のこの面ですね。この面は、木が縮んで周囲が丸まって出てくる傾向があるので、定期的に削りなおす必要があります。また、よく使う一部だけがへこんでくる傾向もあるので、そこも直す必要があります。台下を平面に削りなおしたあとは、一部をわざとへこませて使いやすくするという、一般の方は想像もしない調整もします。

こんな感じで、鉋というのは、ずっと直し続けて作っていくものなんです。鉋を買った直後なんて、いろんな箇所を調整して合わせていきますから、結構時間がかかります。

使い込んだ鉋は、自然に愛用という感じになります。台下を削っていくうちに、鉋はだんだん薄くなっていきますが、それもまた愛らしい感じです。

鉋ほど、買われた後の運命が分かれる道具も珍しいかもしれないですね。

たくさんの鉋が、使いきれないまま箱の奥でさびて捨てられますが、他方、知識と技術を持った人の手に入ると、徹底的に使い込まれて薄くなります。

使い込まれた鉋は、渋い光沢があって、それ自体がひとつの作品のような味わいが出ますね。

知り合いの大工さんが持ってる鉋なんか、美しい艶があって、写真に撮りたいくらいの魅力を放っていました。(#^.^#)

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