作レレ

光が透けないように接ぎ合わせるのが、なかなか手間がかかるのです。”(-“”-)”

写真は左右色違いの二枚の板を断面でつきあわせて貼り合わせていますが、こういう断面で板を貼り合わせる技法を、接ぎ合わせ(はぎあわせ)と言います。

ウクレレ作りで接ぎ合わせはごく一般的な技法で、これをすることで木目を左右対称になるように合わせてデザイン性を高めたり、横幅の狭い板でも広い板を作ることで様々な樹種を使えるようになるわけです。

ちなみに、接ぎ合わせた板は合板とは言いません。合板とは、薄い板を何枚も積み重ねて厚みを増している板のことです。単板を左右に接ぎ合わせた板は、合板ではなく単板です。接ぎ合わせた板の場合、合板とは違って、音響効果が落ちることはほとんどありません。

この接ぎ合わせ作業をするときは、左右の板の断面をきれいに削って、断面を合わせて窓に透かしてみたときに合わせ目から光が透けないようにする必要があります。光が通らない程度まで密着させると、接合部がどこかわからないくらの接ぎ合わせになります。

しかし、この作業がなかなか難物なのです。

知り合いの木工家は、左右の板の両方の断面を定規にぴったりに直線に削ったのに、合わせてみると隙間だらけで光がだだもれになる理由がわからないと言っていました。完全な直線なのに合わないという理屈を知りたいと、工学系の出身者らしい言い方で難しさを表現していました。

私は昨日この作業をしていたのですが、カンナで削ったり、サンディングで削ったりを繰り返して、なんとか光が漏れないように仕上げることに成功しました。とてもよくできたので、その成果を人に見せたくて、完全密着状態をクリップで固定して15分ほど置いておいて、知人の手が空いたときに、「この仕上り具合、どう?」と、多分ドヤ顔になって見せたのです。するとその知人は言いました。

「ああ、光が漏れてるね。あそこも、ここも隙間があるね」

いやそんなはずはないんだけど…と思いながら見て見たら、知人が言うとおり、隙間だらけでした。15分前には完全密着だったのに、15分後には光がダダ洩れです。(@_@)

ドヤ顔だった私は、一転かなりがっかりしたわけですが、この接ぎ合わせ作業が難しい理由のひとつが分かった気がしました。

どうやら、断面が削ったそばから変化しているようなのです。サンディングで削って、新たに表面に出てきた部分が外気に触れることによって微妙に変化し、そこに新たな歪みがどんどん生まれるのでしょう。その歪みの程度は、定規にあてたくらいではすぐにはわからない程度の歪みで、光の透過でようやくわかるくらいの歪みなのかもしれません。

その程度の歪みでも、そのまま放置して接着すると、接合部はあきらかにきれいでなくなります。

というわけで、15分置いておくのも危険なので、いったん光が透けないところまで調整できたら、その状態のままで即座に接着してしまうのがいいのいいだろうと思います。ドヤ顔で人に見せて自慢しようというキモチはぐっとがまんが吉のようです。(=゚ω゚)ノ