昨日の朝、工房に行くために車に乗ろうとしたら、運転席ドアのところに、写真の黄色い蝶が止まっていました。普通のモンキチョウより一回り小さいようです。ドアの開け閉めの際の可動部分に止まっていたので、指でどいてもらおうとしたのですが、指を近づけても逃げる気配がありません。そのまま指先で触れても動かず、指先を動かして軽く撫でてみても、されるままです。
とても繊細なたたずまいで、ドアを開け閉めする震動で壊れてしまいそうな気がして、私はドアの前にしばらく立ち尽くしてしまいました。羽を指でつまんでどかすのも、このきれいな羽を傷めてしまいそうでやりたくありませんでした。
生まれたてなのか、あるいはもう弱ってしまっているのか、今は飛ぶ力がないのだろうと思って見ていたのですが、これではいつまでも工房に行けません。困った最後の手段で、息をふうっと吹いて軽く羽にあててみたら、ひらひらと飛びあがり、青空に見えなくなっていきました。
私はそれを見送ってから、ドアを開けて車に乗り込み、なんとなくさわやかな気分で工房に向けて出発したのでした。
