感想・お客様の声

読者の方からいただいたメール(*^-^*)

ブログを読んでいただいた方からメールをいただきましたので、ご本人の了解を得たうえでご紹介させていただきます。

一十舎のサイト 、ウクレレを中心に据えながら日常の些細な場面から宇宙まで広がるエッセイ集のようです。(最近の記事に私のメールも引用されていて嬉しかったです。)
面白くて興味深くて我を忘れて全部読んでしまいました。
読んでいるうちにウクレレ、というかウスレレという小さな楽器の存在が、今この困難な時代を生きている私達の心というか精神の根っこの部分を優しく本来あるべき方向に目覚めさせてくれる装置みたいな、奇跡みたいなものに思えてきます。

私事ですが、4月の初めに母が他界しまして、ぽっかりと胸に穴が空いてしまったようなそのタイミングで福岡も緊急事態宣言下に置かれ、勤務時間が短縮されたり自宅待機の日も増えてきたりして、自転車で通勤していても街中の人も少なくSF映画のように不気味でもあり、でも気候や陽気はどんどん良くなって来て気持ちよくて、どう形容していいのかわからない、フワフワした非日常感が一ヶ月ずっと続いています。

そんな折に、急にウクレレを弾きたいと思い、楽器屋も開いてないのでインターネットで情報を漁りまくっていたのですが、初心者スタンダードと言われる2万円程度のフェイマスのものなどは品質は確かなのでしょうが、まず見た目に心惹かれるものがなく、でも上を見ればハワイアンコア製の有名ブランドの楽器は10万とか20万円とかとても手が出るものでもありません。一方で、そういう権威主義的なウクレレ事情に物申す的な立場で、主に中国産の、と言っても昔のように安かろう悪かろうではなく、日本やハワイの楽器とはまた違う作られ方をして、とてもコストパフォーマンスに優れ見た目にも個性がバシバシ感じられるウクレレをレビューしているYouTubeを見てなかなか良さそうだと思いつつ、でも通販で買ったものの不具合があった場合に自分で調整など出来るレベルでもないし、薄利多売で大量生産されている感じにやっぱりどこか抵抗がありました。

当方福岡市在住ということもあり、Jam’s Ukuleleのサイトで四弦舎のことも知り、福岡にウクレレを作っているところがあるんだと驚き、とても質の高い楽器を作られていて感銘を受けながらも、ちょっと初心者には敷居が高い感じを持ってしまいました。

弾き語りというよりはポロポロとコードに絡ませてシンプルにメロディも弾くスタイルに憧れていまして、14フレットジョイントがいいのかなと思いながら、でもソプラノは12フレットジョイントの方がバランスいいよなぁと感じてもいて、その辺りのことを検索した時に一十舎の「首長族的傾向」のページに辿り着いたのです。
そこに書かれていた

“普段の普通のなんでもないときになんでもなく弾くなんでもない良さというのがいいよね”

という言葉に、それまでネットの情報の渦に溺れて息が詰まりそうになっていた気持ちがすっと軽くなって腑に落ちた感覚がありました。
そしてあのパロサントのウスレレに出逢いました。ミーハーな性分ですので、まずルックスに惹かれて、文章を読むとますます興味深く、それからYouTubeで音を聴いた時に、「あぁ、これだ…。」と勝手に運命的な出逢いを確信させてもらいました。
これが10万円とかすると諦めがつくのですが、なんとか頑張って出せる価格なのも大切な理由です。個人で、ここまで心を込めて創意工夫を重ねて丁寧に作っている楽器としては正直安過ぎるとも思いますが、有り難いことです。

(後略)

心のこもったメールをありがとうございました。(^^

私の書いたブログを大切に楽しんで読んでいただいてうれしいです。ブログに文章を書いて発表するのは、楽器の演奏と似ていると感じることがあります。ブログで書いたことがだれかの中で振動してふくらむという共鳴が起きるようだからです。このメールを読ませていただいて、その思いをさらに深めました。

このメールを書いて下さった方は、お母さまが亡くなってぽっかりと空洞ができ、同じタイミングで街までぽっかりとしてまったので、その空洞に様々なことがより深く響いていたのかもしれません。そんなタイミングで一十舎の音がその空洞に入り込んで鳴ったのは、不思議なご縁でした。

ウスレレのことを、こころの根っこの部分を優しい方向に目覚めさせてくれる装置のようと表現してくださいましたが、私も同じような感覚を感じながらウクレレを作っているので、そのように感じてくださったのもうれしいことです。

気に入っていただいたパロサントウクレレの音は、確かに不思議な魅力があります。返信には、パロサントウクレレの音は、そのままお母さまのいらっしゃるあちらの世界にまで届きそうな気がしてくると思いつきで書いたのですが、そんなことを感じさせるのがパロサントの魅力です。そんな雰囲気を感じさせるところに、パロサントが聖なる木と呼ばれて大切にされているゆえんがあるのだと思います。パロサントはなかなか加工が難しくて、途中で失敗することも多く、あまり早く作れないのですが、今後も作り続けるのは間違いないと思いますので、どうぞ首を長くしてお待ちください。

前にブログに書いたように、ウクレレの首長族的傾向にはあまり乗らない一十舎なのですが、お待ちかねのお客様の首長族的傾向だけはお願いしている一十舎なのです( *´艸`)。

深い共鳴のメールをありがとうございました。

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