一十舎のウクレレの特徴

屋久杉のトップには何の木のサイドとバックを合わせるのがいいか…

屋久杉をトップに使うのは一十舎の特徴のひとつです。屋久杉は木目が緻密で適度な弾力がありよいトップ材です。

以前、サイドもバックも全部を屋久杉で作ってみたことがあったのですが、これは音が軽すぎて芯がないような印象で、あまりよくありませんでした。トップの柔らかい響きをしっかり受けとめて支える素材をサイドとバックにはもってくる必要があるようでした。針葉樹材は柔らかいですから、サイドとバックには広葉樹材がいいです。

そこで一十舎では、サイドとバックにマホガニーをもってきてトップの屋久杉と合わせることが多いです。マホガニーはまちがいなくよい音を作ってくれる安心感・信頼感があります。

ただトップが和の素材の代表のような屋久杉ですから、サイドとバックにも和の素材を合わせてみたいという気持ちもあり、何かいい素材はないかなあとよく考えています。

ちょうど今ヤフオクで栴檀のウクレレを出品しておりますが、栴檀はマホガニーと音響特性が似ているという研究がありますから、屋久杉トップに栴檀のサイドとバックというのもおもしろそうです。

それから桑の木もおもしろそうだと思っています。桑は、薩摩琵琶の胴の主素材になっていますし、桑で作った木魚は最高級木魚に位置付けられ、切れのよい音がたまらないのだそうです。お坊さんもうっとりだそうです。桑は音響特性が非常に高い和の素材のようです。

白樺の木もおもしろそうてず。白樺はメープルと音響特性が似ているという研究がありまして、メープル材と同様の使い方ができそうです。南の端の屋久杉と北の端の白樺という取り合わせもまた不思議な魅力があります。ただ、白樺の木はあまり流通に乗ってこないので入手がなかなかできません。

オニグルミ、サクラなども可能性があります。ただオニグルミとサクラは、広葉樹の中でも柔らかくて軽めの素材なので、屋久杉と合わせるには少し躊躇もありますが、やってみないとわかりません。非常に軽快ないい音になる可能性もあります。

これらの様々な素材は、それぞれ単品でもウクレレを作ってみたいとも思っていて、いろいろやってみたいことがてんこもりです。