作レレ

パロサント&ホワイトシカモアのウクレレがあまり響かなかったのはなんでだろ~なんでだろ~一体なんでだろう~

テツ&トモの「なんでだろ~、なんでだろ~、一体なんでだろ~」という漫才は、今もいろんな企業に呼ばれたりして、テレビ外で結構活躍しているそうです。

「パロサント&ホワイトシカモアのウクレレが響かなかったのはなんでだろ~、なんでだろ~、一体なんでだろう~」と私も歌うように考えますに、いくつかの仮説が出てきます。

・パロサントとホワイトシカモアの組み合わせは相性が良くなかった説。

味噌ラーメンにバターは合うけど、とんこつラーメンにバターは合わなかった、みたいな話です。パロサントは結構重くて硬い木です。こんなに硬い木は普通はトップに使いませんが、それをマホガニーの適度な軽さが絶妙に受けていたために、これまではいい響きになっていたのだと思います。しかし今回はホワイトシカモアというメープル系のこれも重くて硬い木にしてしまったので、全体に響くことができなくなった可能性があります。絶妙なボケとつっこみの関係が崩れて、両方ツッコミあるいは両方ボケみたいになってしまったのかもしれません。パロサントを受ける板の選択は結構難しいです。マホガニーあるいはマホガニーに似た材質の木がよさそうです。

・コンサートサイズのロングネックとソプラノサイズのウスレレボディの相性が良くなかった説。

コンサートサイズのロングネックにすることによって弦のテンションが変わり音質も変わりますが、これを受けて共鳴を作るのは通常はコンサートサイズのボディなわけですから、ソプラノサイズでしかもウスレレというのは、乖離が激しすぎたのかもしれません。

・トップの削り方が均質になりすぎた説

クラシックギターなどでは、トップの板は周辺部を薄めに削り、中央部はやや厚めに削るのがよいとされています。周辺部を薄くすることによって、トップ全体が大きく振動しやすくなる基盤を作るという発想なのでしょうか。今回のウクレレでは、トップを削るのに新投入のドラムサンダーを使用したために、従前手作業で削っていたときに比べて、全体が均質になりすぎた可能性があります。ここは今後改善していく予定です。

・ブリッジをホワイトシカモアにしたことの影響が出た説。

ブリッジも白い色にするためにホワイトシカモアにしてみたのですが、ここは弦の響きをダイレクトにトップに伝達する部位ですから、音響に影響を与えた可能性があります。

ほかにも、ブリッジの大きさ、ブリッジ裏に張ったパッチの大きさ、全体の板厚の選択など、様々な要因が考えられるのですが、大きな方向性としては、やはり一十舎のウクレレは、「コンパクトに軽やかに」という従前からのコンセプトでいくのがいいようだと感じています。今回は、結果として、大型化、重量化の方向に手を出してみる実験のようになりましたが、やはり一十舎の基本コンセプトにあまりマッチしないような気がします。